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あの快眠サプリに「体を若返らせる効果」があるのでは?というメタ分析が



当ブログでは、快眠サプリとして「メラトニン」を推奨しているわけです。


これは体内時計を調整する効果を持ったホルモンで、睡眠パターンが乱れたせいで眠れない人には効果大。その作用はかなりのとこまで実証されていて、安全性も高いのがうれしいところです。


当然、わたしもスタメンサプリとして愛用してまして、こいつのおかげで「眠れない……」といった問題とは無縁になっております。睡眠の問題にお悩みならとりあえず試してみて損はないかと。


で、ここでおもしろいのが、近年では「メラトニンには快眠以外の効果もあるよ!」ってデータがガンガンに出てきたところです。たとえば、当ブログで紹介した話だと、


といったあたりが有名な話。まだ断定はできないものの、ほかにもいろんなポテンシャルを持ってるっぽいんですよ。いいですねぇ。


といっても、まだメラトニンの快眠以外のメリットには謎が多かったんですが、近ごろ「おい!メラトニンがメタボに効くぞ!」っていう精度が高い論文(1)が出まして、わたしのなかではかなり熱いことになってたりします。


これはシーラーズ医科大学やテキサス大学の研究で、過去に行われた「睡眠以外」のメラトニン研究317件をチェックしたもの。というのも、近年はメラトニンをいろんな症状に試した実験が多くて、アルツハイマー、脳卒中、頭痛なんかへの効果も調べるケースが増えてるんですよ。 


でもって、ここでチェックしたのは「メラトニンとメタボ」の関係です。メラトニンによって、高血糖、高血圧、脂質異常の悪影響が防げるかどうかをみたわけですな。


全体的な実験がどんな感じだったかと言いますと、

  • 参加者は肥満ぎみの男女がメイン
  • 実験期間は8週間以上が多い
  • メラトニンは1日10mg以上を飲む

って感じです。通常のメラトニンは1日1mgぐらいなんで、1日10mgってのはかなり多いですなー。


さて、その結果がどうだったかと言いますと、

  • 8週間以上のメラトニンでCRPとIL6が低下する!

だったそうな。CRPとIL6ってのは体内の炎症マーカーでして、体の老化をもたらす物質。こいつが体内に増えれば増えるほど、インスリン抵抗性、心臓病、脳卒中などが起きると考えられております。


なんでメラトニンにこんな作用があるのかと言いますと、おもに2つの原因が言われております。

  • そもそもメラトニンに抗酸化作用があり、その代謝物にも抗酸化作用がある
  • 抗酸化作用を持つ酵素にかかわる遺伝子を刺激する

ってことで、メラトニンはいろんな方向から酸化ダメージを制御する働きがあるわけですな。うーん、すごい。


ただ、だからといって「メラトニンを1日10mg飲もうぜ!」とは言いづらいとこではあります。というもの、

  • 実験の参加者が肥満ぎみな人がメインなので、標準体型の人にも同じ効果があるかがわからない
  • 1日10mgものメラトニンを長期服用していいものかがよくわからない

ってのが難しいところです。基本的にメラトニンは安全性が高い成分ではありますが、「みんなもやろうぜ!」と言い切れるほどのデータでもないんですよねぇ。そこはくれぐれもご注意ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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