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アプリを使った「マインドフルネストレーニング」は短時間でも効果があるかも?みたいな話

 

世の中には、いろんなマインドフルネスアプリがあるわけです。有名どころではヘッドスペースとかCalmなんかが定番ですな。

 

 

ただ、よく言われるのは「アプリって本当に役立つんですか?」みたいなことです。瞑想の施設にいったり専門家の指導を受けずに、スマホだけでもメンタルは改善するのか?って問題ですな。

 

 

といったところで、近ごろは「アプリのマインドフルネスでもいけんのか?」って問題を調べたデータが増えてきまして、なかなか楽しいです。

 

 

たとえば直近のデータ(1)はスタンフォード大学によるもので、70人の男女にヘッドスペースを使ってもらったものです。どんな実験かというと、

 

  1. テスト前に全員のネガティブな感情、ストレス、イライラ度をチェック
  2. 参加者の半分にだけヘッドスペースの1カ月コースをやってもらう(10セッション)
  3. 残りの半分の参加者は、マインドフルネスについて解説したオーディオブックを聞いてもらう

 

って感じ。そのあとで全員の感情レベルを再チェックしたところ、アプリを使ったグループのほうが、

 

  • ポジティブな感情の量が増えていた
  • 仕事のプレッシャーに強くなった

 

だったそうな。以上の変化は総計100分のセッションで現れてまして、そう考えると、かなーり短時間で良い変化が出てますな。

 

 

研究者いわく、

 

これはマインドフルネスに興味がある人には良いニュースだろう。メリットを得るまで何時間もかけなくなくてもいいことがわかったからだ。

 

ってことで、ちょっとポジティブになりたいぐらいなら、アプリを100分使って瞑想してみるのもアリではなかろうか、と。

 

 

まぁマインドフルネスの効果が出る時間には諸説ありますんで、まだなんとも言えないとこですが、「100分でも効果が出る!」と思い込みながらやってみるのも一興でありましょう。

 

 

また、同時期にはピッツバーグ大学も似たような実験(2)をしていて、こちらは153人の男女が対象。全員に研究チームが作ったマインドフルネスアプリをわたして、1日20分のセッションを続けてもらったんだそうな。

 

 

それから2週間後、みんなに5分間のスピーチを指示したところ、マインドフルアプリを使った人は血圧が下がり、ストレスホルモンも低下したらしい。研究者いわく、

 

たった2週間ほどマインドフルネスのトレーニングアプリを使っただけでも、被験者の生物学的なストレス反応を変えることができた。

 

ってことで、こちらも「意外と短期間でアプリのトレーニング効果って得られるんじゃないの?」ってとこが強調されておりました。1日20分を2週間ってのは確かに楽勝っすね。

 

 

もっとも、最初に紹介した実験はヘッドスペースが出資してるんで、もうちょいデータが出てくるまでは判断は保留したいところ。しかし、いずれにせよマインドフルネスの効果は思い込みの要素も大きいんで、「アプリを使えば短時間でもメンタルに良い影響が出るのだ!」と自分に言い聞かせながら続けるのも大事かとは思いますねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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