おい!人類は年々バカになってるぞ!という観察研究の話
「おい!俺たち年々バカになってるぞ!」と主張するデータ(1)がおもしろかったんでメモ。
これはミシガン大学の研究でして、どんな調査をしたのかと言いますと、
- 1970〜2009年のあいだに集められたIQテストの結果を730,000件集める
- 世代ごとにIQがどう変わってきたかを統計処理する
みたいな感じです。これでどんな結果が出たのかというと、
- 人類のIQは70年前がピーク!
- あとは1世代ごとに7ポイントずつIQが下がっている!(だいたい25年ごと)
だったそうな。7ポイントずつの低下って結構すごいレベルですな。
ちなみに、これはノルウェーのデータを使った研究なんですけど、過去にはイギリスやデンマークでも似たような現象が確認されたらしい。なんか怖いっすな。
研究チームいわく、
これはフリン効果の反転を確認した、もっとも説得力がある証拠のひとつだ。フリン効果を信じている人には、今回の研究は衝撃的だろうし、とても不安になるだろう。
とのこと。フリン効果ってのは「人類のIQは過去100年にわたって上昇し続けてるから、今後もどんどん頭が良くなっていくんじゃない?」って仮説のことです。いままでは「人類の未来は明るい!」と思われてたのが、実はそうでもなくなってるんじゃないか、と。
では、なんでこんな現象が起きてるのかといえば、いまんとこ完全に謎です。ただし、この研究を見てると、
- どうも家族によってIQの下がりかたにはかなりのバラつきがある
- IQの低下は遺伝的なものではないってぽい
って傾向は出てまして、どうやら環境の原因がデカいのは間違いなさげ。
IQの低下にはさまざまな原因が考えられる。教育環境の変化や質の低下、メディアの変化、栄養や健康状態の悪化……。
ってことで、研究チームは現代の環境が良くないんじゃないの?って仮説を立てておられます。当ブログでもよく書いてるとおり、魚の消費量が多い人ほどIQが高かったり、加工食品が多い子供はIQが低かったりしますんで、そこらへんの変化が影響してる可能性は捨てきれないところです。
まぁいっぽうでは「現代の環境ではIQテストで測れるような知性は意味がないのでは?」って考え方もできるんで、やはりなんともいえない感じではありますね。とりあえず、現時点ではIQの低下に立ち向かうために健康的な生活を心がけとくしかなさそうですが。