子供のIQを伸ばす食事、IQを下げる食事
https://yuchrszk.blogspot.com/2018/02/iqiq.html
食事で子供のIQはどこまで左右されるか?
「食事で子供のIQが下がるよ!」って論文(1)が興味深かったんでメモ。
これは英国ブリストル大学の研究で、食事と子供の知性の関係をチェックした観察研究になっております。
具体的には7,044人の新生児の両親に協力をお願いして、3才、4才、7才の時点で「子供たちがどんな食事をしてたか?」をアンケートで調査。その上で、8才の時点でみんなにIQテストをして、どんな違いが出たかを見たわけっすね。
4パターンの食事とIQの関係を調べた
ここでチェックされた食事は、以下の4グループに分類されております。
- 加工食品:高脂肪で砂糖が多く、加工のレベルが高い食品
- 伝統食:肉、フルーツ、野菜、魚、パスタ、ライス
- 健康食:サラダ、フルーツ、野菜、魚、パスタ、ライス
- スナック:ビスケットやケーキ、フルーツなど間食として口にするもの
これらの食事のうち、どれを食べて育った子供の頭が良くなるのか?を分析したんですね。
もちろん、その際に子供のIQに影響をあたえそうなものは慎重に排除されていて、
- 性別
- 人生でトラウマ的な事件があったか?
- 母乳で育てられた期間
- カロリー摂取量
- 両親の教育レベルや経済状態
- 母親が子供を出産した年齢
といったあたりは考慮に入っている模様。まぁこれでもいろんな不備が出てきちゃうのが観察研究の難しさですが、とりあえずはサンプル数も多くし、良いほうのデータじゃないかと。
健康食とIQの関係は意外なほど低い
さて、以下に結論を並べていきます。
- 3才時点で加工食品の量が多いと、8才半の時点でIQが低い傾向がある
- 3才時点でスナックの量が多い場合も、8才半の時点でIQが低い傾向がある
- 健康食の量が多い環境で育つと、8才半の時点で他の子供よりIQが高い
ってことで「やっぱりなー」みたいな結果ではありますが、ここでちょっと大事なのは、
- 健康食とIQの相関はかなり弱い
ってとこでしょうね。この点については研究者も「弱い相関しかない」って表現をしてまして、体にいいものを食べた子供が目立って頭が良くなるわけでもないっぽい。ちょっと意外ですが。
いっぽうで加工食品とIQの関係はそこそこ高いものがありまして、こちらは割と納得といいますか。つまり、この結果を現実に活かすならば、
- 「この食事は健康的か?」とか悩むよりも、とりあえず「加工食品を減らすぞ!」と考えたほうがシンプルで良い
って感じでしょうか。まぁ過去に出た「頭をよくする食事法」でも、全体的にファストフードや揚げ物の害は言われてますんで、減らすにこしたことはないだろうと思うわけですが。