本当は怖い「脳をダメにする重金属」入門
重金属の脳ダメージは超怖い
むかーし重金属の検査を受けたら、体内から大量のヒ素が出てビビったことがありましてね。当時は海藻が好きで食べまくってたんで、おそらくそのせいなんでしょう。
私の場合、早めに気づいたから良かったものの、もしそのままヒ素が体に溜まっていたら「慢性疲労」やら「謎の不調」に悩まされたのかもなー、などと思ってたりします。
そんな折ですが、みんな大好きランセットに「重金属の害が発達障害をもたらすぞ!」ってレビュー論文(1)がハーバード大学から出てて結構怖いです。ここでいう症状ってのは、
- 自閉症スペクトラム
- ADHD
- 読書障害
などの問題のこと。子供だけでなく大人にもよくみられる状態ですが、このレビューでは、ヒ素や水銀のような重金属を大きな原因のひとつとして指摘してるんですな。
脳にダメージを与える4つの重金属
では、具体的にどんなものが例にあがってるかと言いますと、
水銀
日本人が取りやすい重金属の代表といえば水銀。なにせ大型の魚にたくさんふくまれますんで、マグロの消費量が多い日本なんかは体に水銀がたまりやすいんですな。
しかも、水銀は脳のバリアを突破する性質がありまして、脊髄なんかに溜まって神経系の働きをジャマするのが困りもの。水銀については44件のデータをまとめたメタ分析(2)が出ていて、
- 自閉症スペクトラムな人は、そうでない人にくらべて血中と脳の水銀レベルが高い!
って結論だったそうな。さらに2011年の観察研究(3)でも、周囲の環境に水銀が多いエリアに住む人ほど自閉症の確率が高かったんだとか。いずれも観察研究ではありますが、特に子供は水銀の影響を受けやすいんで、ちょい怖いとこではあります。
鉛
鉛もわりとメジャーな重金属のひとつ。鉛に汚染された水を飲んだり、その水で育った動物を食べたりして中毒になりがち。
こちらも2017年にメタ分析(4)が出ていて、血中の鉛レベルが1.8µg/dLより下でも、ADHDのリスクが高くなることがわかったそうな。アメリカ疾病予防管理センターの基準だと5µg/dL以下なんですが、実はそれよりはるかに下のレベルでも害が出てくるみたい。
ヒ素
一時期、私を困らせた重金属。日本人の場合は、海藻とか玄米なんかが主な摂取源ですかね。もちろん、海藻や玄米が危険だって話じゃありませんが。
ヒ素については2013年にイヤーなメタ分析(5)が出てまして、体内から検出されたヒ素レベルが高い子供ほど、IQが低下する傾向があったそうな。また、こちらでもやはりヒ素とADHDの関係が指摘されてますね。
アルミニウム
現代ではアルミニウムはいたるとこで使われていて、一部の制汗剤、制酸剤、食品添加物なんかにも入ってたり。これまた脳に溜まっていく性質がありまして、やがて頭の機能低下の原因に。近年では、子供の自閉症スペクトラムとの関係がよく言われてたりします(6)。
他にも重金属はいろいろありますが、ADHDや自閉症スペクトラムとの関係性が言われてるのはここらへんが代表的です。自分は大丈夫だと思ってると、私のように意外と体内に溜まってたりしますんで、注意したいですねぇ。
重金属テストはどこまで信頼できるか?
もっとも、ここで問題なのは、意外と重金属のテストってのが難しいとこ。有名な方法としては以下がありますが、
- 髪の毛や爪を使う=手軽でいいんだけど、髪や爪から出た重金属が体内のレベルを反映しているとは限らない。
- オシッコを使う=こちらは髪や爪より面倒な上に、やはりオシッコの重金属が体内のレベルを反映しているとも限らない。
- 血液検査をする=重金属は血液の中にいる時間が短いので、組織にどれだけ溜まったかを判定するには不向き。
って問題があるんですよねぇ。私の場合は爪を使ってテストしましたが、この場合は思い当たるフシがあったので(海藻をどか食いしてた)、「おそらく正しいのだろうなー」と判断したような感じですね。
つまり、いずれのテストも不完全なので、正確を期す場合はいくつかの手法を組み合わせるしかないでしょうね。髪でテストしたら続いて血液検査もしてみて、似たような結果が出たら「たぶん正しいのだろう」と判断するみたいな。
まとめ
ってことでいろいろ書きましたが、シーフードの有害物質については「それほど心配しなくていいんじゃない?」って考え方が優勢ですんで、かつての私のように海藻や玄米のドカ食いなどをしない限りは、そこまで不安にならずともOKでしょう。
あとは大気汚染や重金属をふくむホコリ、質の悪い鶏肉(ヒ素の量が多い)なんかに気をつけていただければ、ってところですかねぇ。気になる方は、くり返しになりますが、いくつかのテストを組み合わせてみることをオススメします。