ストレスで大食いしちゃう!人に特有の性格はこれだ!というメタ分析の話
ダイエットが失敗する大きな理由のひとつに「ストレス食い」ってのがあるわけです。「仕事の失敗でラーメンどか食い!」とか「なんかイライラしてポテチ爆食い!」みたいなやつですな。
たまの爆食いなら問題ないものの、なかには完全にリミッターが外れるケースもあるんで、やはり「ストレス食い」の原因は知っておきたいところであります。
ってところで、新しく出た論文(1)は「ストレス食いが起こりやすい人の特徴とは?」って問題にガッツリ取り組んでて参考になりました。
これはマギル大学などの研究で、「ストレスで食べ過ぎちゃう人は何が違うの?」について調べた70件の論文から19,470人分のデータをまとめたもの。ご存じメタ分析になってまして、信頼性はわりと高めで良い感じです。
では、その結果がどうだったかと言いますと、
- ストレス食いは不安型の愛着スタイルを持つ人に多い!(r = 0.266)
- 不安型の愛着スタイルを持つ人は実際にBMIも大きい
だったそうな。まぁそこまで高い相関でもないものの、「間違いなく影響はある」とは言えるレベル。
不安型の愛着スタイルってのは、以前に「あなたの性格は住む場所によって大きく変わる」に書いたとおり、
自分に自信がないせいで、つい「相手に嫌われちゃう!」と思いがちなタイプ。熱しやすく冷めやすい関係性を築く傾向がある。
ってコミュニーケーションを取りがちな人のことです。いかにも生きづらそうなパーソナリティですよね(私もその傾向があるんですが)。
さらに、もうちょい不安型の人の特徴をあげると、
- ネガティブな要素に気づきやすい(「あの人はいま機嫌が悪いんだな……」とか「このプロジェクトは失敗に終わりそうだな…」とか)
- ネガティブな感情をマネージメントするのが苦手(不安が起こるとすぐに飲み込まれがち)
みたいになってます(2)。こういった対人スタイルになる理由としては遺伝も大きいものの、
ってのも大きな原因じゃないかと考えられてたりします。子供のころから「恥」や「罪悪感」でコントロールされたせいで、大人になっても不安でいっぱいになっちゃうんですな。
つまり、不安型の人は他人よりストレスに弱いわけで、一時的に気分を改善してくれる食品に手が出ちゃうんだ、と。事実、過去には「ストレスが多い人は1カ月で416グラムも脂肪がついちゃう」ってデータも出てまして、なんとも困っちゃう話です。
では、不安型の人はどうすりゃいいの?って話ですが、この論文で取り上げられてる対策は2つであります。
- セキュリティ・プライミング:あたかも自分はネガティブなできごとにうまく対処できてるかのようにふるまう。これを続けるとメンタリティが変わり、自然と他人への親切が増え、「意外と世界は安心なのだ」って気持ちが生まれる
- エモーショナル・レギュレーション:リプレイザルなどの手法を使い、ネガティブな感情を切り替える。
といったところでして、どちらもストレス解消の基礎のような手法ですな。
ちなみに、不安型の愛着スタイルって長年にわたって積み上げられてきたものなんで、即効性がある対策はなかなか存在しないのも現実ではあります。かくいう私も認知行動療法などで地道に対策してるものの、「まだ先は長いなぁ……」みたいな感じですし(遺伝もあるんで、そこは受け入れるしかないんだけど)。
ってことで、自分の愛着スタイルが不安型だって自覚がある方は、とにかくネガティブな事件や感情への対処法をコツコツと変えていくのが吉。ご同輩の方々は、がんばりましょう。