食事 vs 運動、本当に頭を良くしてくれるのはどっちだ?みたいな実験の話
頭が良くなるには食事と運動が必須なのは間違いないところ。体力をあげてくれるだけでなく、脳の働きも改善することがわかってるんですな。
で、今度は新たに食事と運動をちゃんと組み合わせて実践したらどうなるのか?って問題を調べたデータ(R)が出ておりました。
これはデューク大学の実験で、55歳以上の男女160人を4つのグループにわけております。
- エクササイズの量だけ増やす
- 特別な食事法を続ける
- エクササイズと特別な食事法をまとめてやる
- なんもしない
実験期間は6カ月で、具体的には以下のような運動法と食事法が採用されております。まずはエクササイズから。
- 脳を強くするためのエクササイズ
- ウォームアップとして軽くストレッチを10分
- ちょい速めのウォーキング、またはエアロバイクを35分
- 運動の強度は呼び心拍数の70〜85%を目指す(目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数)
- 筋トレはとくにしない
ってことで、そんなに大変な運動でもないっすね。「こんなに軽くていいの?」と思われるかもですが、過去のデータでもこれぐらいで脳機能の向上は確認されてるんで、意外と妥当なラインなんですよね。
でもって食事法のほうは、ざっくり言うと以前に取り上げた「MINDダイエット」に近いです。これは脳神経の変性を食い止めるために開発された手法でして、過去のメタ分析でも脳に効くことが確認されたナイスな手法であります。さらにくわしくは「脳の働きをガッツリと改善する「MINDダイエット」のガイドライン」をご参照あれ(有料ですんません)。
そのうえで、この実験では脳の「実行機能」の変化を見ています。実行機能は高次の思考力にかかわる能力で、
- ワーキングメモリ
- 集中力のコントロール
- 問題解決スキル
といった要素で構成されてます(ここらへんは異論もあるんだけど、上の3つに反対する人は少ないでしょう)。まぁシンプルに頭の良さを測ったと考えていいです。
では、半年後にどんな変化が出たかと言いますと、それぞれの実行機能スコアはこんな感じになりました。
- なにもしないグループ=35点
- 運動だけグループ=42点
- 食事改善だけグループ=43点
- 運動+食事グループ=46点
ということで予想どおり運動+食事グループが勝利してますね。個人的な感想としましては、
- 運動と食事のどっちかだけ改善した場合は、とくに差がないんだなぁ
- 運動+食事は最強だけど、思ったよりズバ抜けてるわけじゃないなぁ
みたいなところですかね。もちろん、改善できるとこはすべて改善したほうがいいのは確実ではありますが、「運動が嫌い!」って人はとりあえず食事だけやってもいいし、逆もまたしかりって印象ですね。
いずれにせよ、食事だろうが運動だろうが、どちらも6カ月ほどちゃんと続ければ頭が良くなるみたいなんで、気になる方は、
- 1日45分の軽い有酸素運動
- MINDダイエット
のいずれかを試してみちゃいかがかと思う次第です。というか、過去には「健康的な内容ならどんな手法でもメンタルは改善するよー」って話も出てますので、別にMINDダイエットにこだわらなくてもいいのかもですが。