化粧品に入ってるアルコールは肌を乾燥させる?肌を炎症させる?問題について考える
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「化粧品に入ってるアルコールって問題ないですか?」みたいなご質問を頂いたんで、軽くまとめてみます。
ここで言ってるのはもちろんエタノールのことで、要は酒に入ってるるアルコールとほぼ同じものです。一部では、このエタノールが「肌を乾燥させる!」とか「肌荒れになる!」みたいに言われてるんですよ。
なんで化粧品にエタノールを入れるのかと言いますと、
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水で分解できない物質を分解させるため(フレグランスオイルとかサリチル酸とか)
- 皮膚から脂質、油分、ワックスを取り除くため
- 保存剤として使うため(いまはあんま使われないかもですが)
- 成分を肌に浸透させるため
みたいな感じになってます。まぁエタノールを使うとなにかと便利なわけです。
では、なんでエタノールが良くないと言われるケースが多いのかと言いますと、
- なんかアルコールを使うと肌が炎症を起こしている感じがする(赤くなったりとか)
- アルコールを肌に塗ると逆に乾燥するような気がする
みたいな証言が多かったりするからです。実際、いくつかの"生体外”研究(R,R)では、「エタノールが皮脂の分泌を乱すよー」みたいな結果も出てまして、可能性としてはなくはなかったりします。
もっとも、これらの結果はあくまでヒトの細胞を使ったものでして、実際に生きた人間の肌で同じことが起きるかというと別の話。ヒトを対象にしたテストの結果は、だいたいこんな感じになってたりします。
アルコールで肌は乾燥しやすくなるか?
- 80%エタノールを5分間に50回ほど肌に塗りつける作業を1日に2回ずつ7日間続けたところ、水を塗った場合と肌の水分量の変化は変わらなかった(R)
- 60〜80%エタノールを1日20回ぐらい手にすり込んでも、特に肌の水分量に有意な変化はなかった(R)
といった結果が大半でして、どうも大量のアルコールをつけまくっても、水とくらべて特に乾燥しやすくなるわけじゃないっぽいんですよね。まぁアルコールって肌につけてもすぐに揮発しちゃうので、そこまで影響がないのもわかる気がしますが。
アルコールで肌は炎症するか?
- 70%のエタノールは、1日に20〜100回ずつ14日間続けて塗りまくったが、特に肌の赤みは水と変わらなかった(R)
- 80%エタノールを塗りまくっても、やっぱり肌の赤みに変化はみられなかった(R)
というわけで、肌の赤みにつていも、やはり水と比べて特に大差はないってのが大方の結論ではないかと思うわけです。
以上の話を見てると「まぁアルコールは心配しなくてよし!」と個人的には判断しているわけですが、なかには「でもアルコールを肌に塗ると嫌な感じがする……」みたいに思う方もいらっしゃいましょう。
この現象がどういうことかと言いますと、
- アルコールが肌の微細な傷から入り込む
- アルコールが神経の末端を刺激する
- 嫌な感じが起きる!
って感じでして、決してアルコールのせいで肌にダメージが起きてるわけでもないのでご安心ください。
ってことで、私は「アルコールは別にいいんじゃない?」派ですが、まぁ神経の刺激が嫌な方はアルコールフリーなものを選べなよろしいのではないでしょうかー。そこはお好みで。