有害な人材が会社にもたらすダメージは計り知れないぞ!というワーキングペーパーのお話
https://yuchrszk.blogspot.com/2020/05/blog-post_14.html?m=0
「優良な人材を雇うよりも有害な人材を雇わない方が重要だ!」ってなワーキングペーパー(R)がおもしろかったんでメモ。
ハーバード・ビジネス・スクールが5,8542人の労働者をチェックしたもので、みんなに徹底的なアンケートを行なって、
- どれぐらい仕事でパフォーマンスを発揮できているか?
- 会社のルールをどれぐらい守っているか?
といったあたりを調べたんだそうな。そこでわかった結論を一言でまとめると、
- 害悪な社員がもたらすダメージは優良な社員がもたらすメリットの2倍!
といった感じです。めちゃくちゃ仕事ができる社員をひとり確保するコストと、有害な社員を雇い続けるコストを比べた場合、倍ぐらいの違いが出ちゃうんだそうな。
では、「有害な社員」が具体的にどんな人たちかと言いますと、
- まかされた仕事をまったくせず、ひたすらダラダラしてる
- 他の社員に攻撃的な態度を取り、時にいじめに発展する
- 陰で他人の悪口やゴシップをしゃべりまくる
- 出社時間や会議のルールをまったく守らない
みたいな人たちのことです。ちょいダークトライアドの特性と被りますね。実にイヤーな感じですけど、この調査では「有害な社員は意外と生産性が高い」なんて傾向も確認されてるのが悩ましいところ。なんでも有害な社員は自信満々な人が多いので、迷わず仕事を進めることが多いんだそうな。ここらへんはナルシストやサイコパスの行動様式に近いですかね。
「有害社員」がもたらす被害をさらに詳しくまとめておくと、
- 有害社員を雇うと約1万2500ドルのコストがかかる(その人をクビにして新しい人を雇うためのコスト)
- 生産性が上位1%に入る超有能な人材を雇っても、会社の利益は約5300ドルしか上がらない
みたいになってます。とにかく有能なヤツを雇うことを考える前に、ヤバいヤツを避けることに気を配ろう!ってことですね。
ちなみに、有害な社員の研究といえば「『礼儀正しさ』こそ最強の生存戦略である」で有名なクリスティーン・ポラスさんが14,000人を調べたリサーチ(R)もありまして、これによると有害な社員と接した従業員たちは、
- 80%が「また嫌なことが起きるんじゃないか…」という心配に悩み、仕事に使う時間が減った
- 78%は会社へのコミットメントが下がったと答えた
- 66%は仕事のパフォーマンスが下がったと答えた
- 63%は有害な社員を避けて行動するようになった
- 48%がわざと仕事に費やす努力を減らした
- 47%がわざと仕事に使う時間を減らした
- 38% がわざと仕事の質を下げた
- 25%が不満を顧客にぶつけた
- 12%が仕事を辞めた
といった反応を示したそうな。まぁ仕事で嫌なことってだいたいは人間関係に集約されるんで、わりと納得の結果じゃないでしょうか。これを見ると、有害な社員がもたらす潜在的なコストはもっと大きそうっすな。
ってことで経営者の方におかれましては、とりあえず「採用の際は有害社員に気をつけるぞ!(特にダークトライアド)」「採用の後で有害だと気づいたら、そいつがどんなに有能でもクビだ!」ぐらいに考えておくと良いかもしれません。もし今の同僚や上司が有害だった場合は‥…私だったらできるだけ避けるか、さらに上の上司に相談しますかねぇ(実際、会社員時代にそんなことがあったんで)。