ニースリーブでスクワットがはかどる!はどこまで本当か?
「ニースリーブは意味あるのか?」ってのを調べたデータ(R)が出てました。
ニースリーブはヒザの保護に使うサポーターみたいなもんで、↓のような感じのアイテムですね。
ジムなんかでも着用してる人を見かけまして、ヒザを保護する目的のほかにも「スクワットのパフォーマンスを上げるのでは?」などと言われております。ヒザまわりを圧迫することで、負荷が強いスクワットに耐えやすくなると考えられてるんですよ。
ってことで、このテストでは18~35 歳の男性15 名を対象に、ニースリーブの効果をチェックしてます。参加者を選んだ基準は、少なくとも体重の1.5倍の負荷でスクワットができるかどうかだったそうです。
実験はランダム化されたクロスオーバー方式で、
- 普通のニースリーブ(ネオプレン素材)で筋力テスト
- 少しタイトなニースリーブ(ネオプレン素材)で筋力テスト
- ナイロン製のニースリーブ(圧縮サポートはほとんどない)で筋力テスト
って3つのパターンで結果を見てます。具体的には、ジャンプ、スクワット、ニーエクステンションなどを使ってて、それぞれの筋力とパワーがどう変わるかを見たとのこと。
すると、結果はこんなふうになりました。
- スクワットの1RMについては、通常のスリーブとタイトなスリーブを使ったときのほうが、コントロール群よりも有意に大きかった(+5kg; 166 vs. 161kg)
- が、その他の指標(ピークパワーとかジャンプ力とか筋持久力とか)については、ニースリーブを使っても意味が見られなかった
ということで、「ニースリーブでパフォーマンスが上がるか?」という問題については、「全体的にはビミョー」って結論になってますね。んー、そうだったのか……。
いちおう「1RMは上がるかも?」って結果ではあるんですけど、データでは1RMのとこだけ突出してまして、ちょっと怪しい気もするわけです。いっぽうでは、理屈で考えると、ニースリーブの効果は1RMぐらいにしか影響しない気もしますんで、ここらへんの判断は難しいですけど。
まぁニースリーブによって何らかのデメリットがあるとも思えませんし、さらにちょっと前の研究(R)なんかも参考にすると、
- ニースリーブを使ったスクワットは、何もつけてない状態と比べて1RMの70%ぐらいな負荷のスクワットのスピードが改善した
- 多くの参加者は、「ニースリーブを使った方が快適だった」や「ニースリーブのおかげで安定感が増した」と証言した
といった知見も得られております。プラセボ効果かもしれませんが、劇的なメリットさえ求めなければ、ニースリーブを使うのもアリな気はしますね。
話をまとめると、
- ニースリーブは主観的な快適さと安定感を改善し、スクワットの筋力をアップさせる可能性はある
- ただし、ジャンプの高さ、ヒザの曲げ伸ばしの筋力や持久力は改善できないかもしれない
- 筋トレ好きのなかには「できるだけタイトなスリーブがいいのだ!」って意見もあるけど、たぶん着圧の大きさはあんま関係ない
ぐらいの感じになりますね。個人的には「ヒザが痛くなったら買ってもいいかな〜」ぐらいの感想で、パフォーマンスアップ用には買わないかなぁ……。