オキシトシンを鼻から吸えばコミュニケーション能力は上がるのか?
ちょっと前に「『オキシトシン』を鼻から吸うとコミュニケーション障害が治る!」ってニュースが出ておりました。
「オキシトシン」を鼻からスプレーすることで、コミュニケーション障害が改善することを実証(日本研究) : カラパイア
オキシトシンでコミュニケーション能力が改善された!
愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」を鼻から吸い込むと、自閉症スペクトラムの患者たちのコミュニケーション障害が改善されたという話で、もとになったプレスリリースはこんな感じ。
オキシトシン点鼻スプレーを1回投与したことで、健常群で観察される、表情や声色を活用して相手の友好性 を判断する行動が増え(図1)、内側前頭前野の活動が回復し(図2)、それら行動上の改善度と脳活動上の改善度が関与しあっていました(図3)。
参考:
オキシトシンを鼻から吸うだけで、コミュニケーションを司る脳機能がアップした!という素晴らしいニュース。当ブログでも、以前にオキシトシン点鼻薬の実験を紹介したことがありましたが、あれは「脳内のオキシトシン量が増えたよー」って研究だったので、実際にコミュニケーション能力の改善が確認されたのは実に画期的であります。
参考:鼻から吸うだけで人見知りが治ると噂の「オキシトシンスプレー」に効果はあるのか?
じゃあ、結局オキシトシンスプレーって効果あるの?
となると次は、巷で売られている「オキシトシンスプレー」に効果はあるの?ってのが気になるところ。Amazonだと以下の3つが代表的な商品ですね。
で、具体的に東大の論文を見てみますと、1回の実験につき48マイクログラムのオキシトシンを使っていました。これは、上で紹介した商品を2回で使いきっちゃうぐらいの量なので、どうにも日常的に使うにはコスト的に見合わないかなー、というのが正直なところ。
参考:Mitigation of Sociocommunicational Deficits of Autism Through Oxytocin-Induced Recovery of Medial Prefrontal Activity