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1,000人の老人に働く知恵を学ぶ『1000人のお年寄りに教わった30の知恵』


「1000人のお年寄りに教わった30の知恵」を読みました。コーネル大学が1,000人のご老人に「人生で大事な知恵」を聞きまくった本でして、自己啓発書の文章は色眼鏡で読んじゃうけど、お爺ちゃんの言葉は素直に聞けてしまう私のような人間にはピッタリ(笑)。





で、ここでは本書の「30の知恵」のなかから、ご老人による仕事に関する5つのアドバイスをどうぞ。



  1. 給料ではなく精神的な満足のために働く:給料の高さで仕事を決めるのは、もっともありがちな間違い。仕事に対する意義と情熱を持つことによるメリットは、どんなときでも給料の額を上回る。
  2. 最高の仕事を探す努力を怠ってはいけない:嫌な仕事を続けるのは、後悔と悲劇の原因にしかならない。根気よく自分が好きになれる仕事を探すのが幸せの鍵だ。
  3. 最悪の仕事でも最高を探す:もしヒドい仕事についていても、時間をムダにしてはいけない。どの老人たちも、どんな最悪の仕事からも貴重な経験を学んでいる。
  4. 共感力はすべてに勝る:仕事で成功したいなら心の知能指数を鍛えるのが一番。どれだけ人と関わらない仕事でも、共感力の大事さは変わらない。
  5. 自己コントロール感は必須:仕事の満足度は、どれだけ自分で作業の内容とペースを決められるかにかかっている。上からの指示に従うだけでは不幸感が増すばかりだ。


逆に、ご老人たちから絶対に出なかったアドバイスは以下の3つだそうな


  1. 1,000人の老人のうち、「物を買うために金を稼ぐのが幸せだ」と言った人は1人もいなかった。
  2.  1,000人の老人のうち、「周囲の人間よりも裕福になるのが幸せだ」と言った人は1人もいなかった。
  3.  1,000人の老人のうち、「将来の稼ぎを基準して仕事を選ぶべきだ」と言った人は1人もいなかった。

いかがでしょう?非常に平凡といえばそうなんですが、結局ごく普通のことを地道に行うのが幸福への道なんだな〜、とあらためて実感させられる結果であります。


もちろん、これはあくまでご老人たちの意見でして、アカデミックな検証が行われたわけではないんですが、こないだ取り上げた「幸せのメカニズム」の結論ともかなり重なる部分は多いですね。本書には、他にも「結婚」「育児」「加齢」「後悔の避け方」の各ジャンルごとにご老人たちのアドバイスが紹介されておりますので、興味があればご一読を。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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