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4つの要素で幸せはコントロールできる! | 前野隆司「幸せのメカニズム」


前野隆司「幸せのメカニズム」を読みました。これまで人間の幸福度についての研究は海外がメインだったんですが、ついに日本からオリジナリティあふれる幸福学の本が出たな〜、と嬉しくなる一冊。




本書のメインになっているのは、ネットのアンケートをもとに「人間の幸福を決める要素はなんなの?」を分析した章。それによると、人の幸福は以下の4つに大きく左右されるらしい。


第一因子:「やってみよう」因子(自己実現と成長の因子)

自分の強みを活かせているか?  社会の役に立っているか? 自分が成長している実感はあるか? なりたい自分になれているか? といった要素です。「ストレングスファインダー」などで自分の「強み」を把握。その強みを社会に活かせるような活動を決めたうえで、そこへ向かって学習と成長にチャレンジすると幸福度が高くなるわけですね。


ちなみに、「社会の役に立つ」といっても壮大な目標を持つ必要はなくて、近所のお婆ちゃんの荷物を持つレベルで十分。「自分の強み」も大げさな能力は不要で、例えば「けん玉が超上手い」とか「YouTubeの動画にメチャクチャ詳しい」とかでも問題なし。これを、本書では「みんな一芸に秀でたオタクになれ」と表現しております。なるほど。


第ニ因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)

人を喜ばせているか? 自分を大事にしてくれる人がいるか? 感謝することはたくさんあるか? 人に親切にしているか? といった要素。他人との安定した関係を築けるかどうかが大事なんですな。


面白いのは、友人の数が多いかどうかはあまり幸福に関係せず、幅広い種類の友人がいたほうが幸福度が高いところ。いろんな国籍、性別、年齢、職業の友人を持つように心がけたほうがいいわけですね。これは友人が少ない人にはいいニュース(って、友人の数が少ないと幅を広げようもないわけですが(笑)。


人への親切がいかに成功をもたらし健康にもいいかについては、以下の2冊も非常に参考になるかと思います。






第三因子:「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)

ものごとが思い通りにいくと思っているか? 失敗や不安をあまり引きずらないか? 友人との良い関係を維持できるか? 人生で多くの成果を残してきたと思えるか? といった要素。植木等の「だまって俺について来い」のような、激しく楽観的な態度が大事というわけですね(笑)。

 

また、楽観主義は「そこそこで満足できる」態度にもつながっていて、ある程度のところでOKを出すのが大事とのこと。完璧主義でギチギチに自分を縛っちゃいけないってのは、心理学者のバリー・シュワルツも言ってましたね。

 




第四因子:「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)

自分と他人を比べずに生きているか? 他人や環境のせいにしていないか? 自分についての信念は変化していないか? 人目を気にせず物事を楽しめるか? といった要素。一言でいえばマイペースが大事ってことですかね。


本書によれば、マイペースを維持するためには「メタ認知(自分を“他人事”のように見る能力)のトレーニングが重要だ!」ってことなんですが、具体的な鍛え方については書かれていなかったので、当ブログでは瞑想の習慣化をオススメしておきます。

参考:誰でもできるGoogle式マインドフルネス瞑想入門


まとめ

そんなわけで、「幸せのメカニズム」による4つの幸福要素でした。本書には、「自分がどれだけ幸せなの?」を計るためのテストもついていますんで、気になった方はぜひご一読を。海外での幸福学研究の成果も手際よくまとまっていて、実にお得な一冊になっておりますので。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。