そのトレーニング法、間違ってないすか?『良いトレーニング、無駄なトレーニング』
アレックス・ハッチンソン「良いトレーニング、無駄なトレーニング」を読みました。ガッチリした研究にもとづいて、本当に効果的なトレーニング法を探っていく良書。「運動はしたいけど、いろんなアドバイスがありすぎて何を信じていいかわかんないよ!」という方は、ひとまずこれを読んでおけば間違いないでしょう。
今日は、本書から「これはよくあるな〜」と思った7つの間違ったトレーニング知識をご紹介。
間違い1・ハードに運動をするほど脂肪は燃える!
「脂肪を燃やすにはハードにエクササイズするしかない!」なんてことが言われますが、これは間違い。最新の研究によれば、ゆるやかな運動のほうが脂肪は燃えやすいことがわかっている。
例えば、ウォーキングで燃えるエネルギーのうち脂肪は85%で糖質が15%。対して、ハードなジョギングでは脂肪は30%しか燃えず、残り70%は糖質が使われる。運動のハードさにはこだわらず、適度な強さの運動をこなすのが重要みたい。
間違い2・週に150分を超える運動は健康に悪い
「運動をしすぎると免疫が落ちて風邪をひきやすくなるよ!」なんてことが言われますが、これも間違い。WHOが勧める「週に150分の運動」を超えてエクササイズを行っても、糖尿病や心筋梗塞のリスクは下がり続ける。もちろんあまりにも運動をしすぎると健康効果は下がるんだけど、アスリートでもない限りそのレベルには絶対に達しないので心配しなくてもOKみたい。
ただし、以前に当ブログでも書きましたが、ランニングのような運動をすると慢性的にストレスレベルが上がるので、アンチエイジング的には逆効果。このへんのバランスを考えつつ、自分の体と相談しつつ運動の時間は決めましょう。
間違い3・ランニング中に足がつるのは栄養不足が原因
「運動中に足がつるのはミネラルや電解質が足りないから」なんてことが言われますが、これも間違い。最新の研究によると、運動で足がつる主な原因は「最初に速く動きすぎて筋肉がビックリしたから」とのこと。やっぱ軽いウォームアップは必須ですね。
間違い4・心肺機能を高めるには長時間の有酸素運動が必要
「長時間のジョギングで心肺機能アップ!」なんてことが言われますが、これも間違い。いま流行りのHIITトレーニング(30秒の全力疾走と4分の休憩を4〜6回くり返す方法)は、短時間でも45分のジョギングと同じ効果が得られることがわかっている。
間違い5・最大心拍数は「220ー年齢」で求められる
「220から年齢を引けば、手軽に最大心拍数がわかる!」なんてことが言われますが、これは古い知識。より正確な最大心拍数の求め方は、
なんだそうな。もっとも、別にこの計算式を使わなくても、「会話ができないぐらい息が上がった状態」を最大心拍数だと考えても別に問題はないらしい。
間違い6・細マッチョになりたりなら軽いダンベルをたくさん持ち上げるべし!
「軽い負荷で何度も筋トレをくり返すのが細マッチョへの道」なんてことが言われますが、これも間違い。軽いダンベルだと筋肉が肥大しないので意味がなくなっちゃう。細マッチョを目指すなら、結局は脂肪を落としてちゃんと筋肉を肥大させるしかない。
間違い7・骨を強くするにはジョギングで骨に刺激を与えるのが一番
「ジョギングで骨密度を上げよう!」なんてことが言われますが、これも間違い。最新の研究によれば、骨のまわりの筋肉が骨を引っ張らないと骨密度は上がらないそうな。ただし、ジョギングの刺激は骨の成長を促進するので、完全にムダというわけでもないらしい。
まとめ
そんなわけで、「良いトレーニング、無駄なトレーニング」から、7つの間違ったトレーニング知識でした。本書には他にも、
- 理想のボディになりやすい遺伝子は存在しない。運動の効果は80%が環境で決まる
- 適度な運動は免疫力をアップさせるが、ハードな運動は免疫力を下げる
- 30代なかばから、10年毎に持久力は9%ずつ下がる
などなど、使える知識が盛りだくさん。ムダなトレーニングに時間を使いたくない!という方には、ぜひご一読をオススメします。