第六感、虫の知らせ、霊感は正しい脳の働きの1つにすぎない
よく「あたし第六感があるのよ〜」なんて言う方がいますな。超能力とは言わずとも、「なんかヘンな感じがする!」ぐらいの虫の知らせを感じたことがある人は多いと思います。
で、そんな第六感を「それは視覚処理の仕組みに過ぎない!」と言い切ったメルボルン大学の研究が面白かったのでメモ。
PLOS ONE: Detecting Unidentified Changes
実験はシンプルで、48人の学生に次の手順で人物写真を見せたんですな。
- メガネをかけた女性の写真を1.5秒見せる
- 1秒ポーズ
- メガネを外した女性の写真を1.5秒見せる
実際に使われた画像はこんな感じ。
で、写真を見せたあとで学生に「何か変わった?」と尋ねたところ、大半は「何かおかしいけど、何が変わったかはわからない」と答えたそうな。
この結果は他のパターンの写真でも同じで、男性がメキシカンハットを外した写真のように変化が激しいものでも、どこが変わったかを見ぬいた学生はいなかったらしい。人間の脳は、「何がおかしいのか具体的にはわからないけど何かが変わった」ことを感じる能力があるってことですね。つまり「第六感がある!」と言ってる人は、単に大きな変化を意識できていないだけなんですな(笑)。
ちなみに、研究者いわく
この証拠を見せても第六感を信じる人たちは納得しないだろう。『自分は何かを感じている』という感覚は、それほどの実感をともなうものだからね。
とのこと。確かに「私はそう感じるんだからしょうがない」と言われちゃったらどうしようもないですからね。
あと、この実験は「第六感や直感が正しいかどうか?」について調べたものじゃないので、そこは注意したいところ。ぱっと見の判断が意外と正しかったりするのは、かつてNHKの「サイエンスZERO」やグラッドウェルの「第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」でも指摘されておりました。なかなか熱い分野ですよねぇ。