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舌下免疫療法は花粉症を治す救世主なのか?


「花粉症は治せる! 舌下免疫療法がわかる本」を読みました。




舌下免疫療法は、舌の下に定期的にアレルゲンを垂らして、少しずつ体をアレルギー症状に慣らしていく方法。8割の患者に効果があるそうで、花粉症を治す救世主とも呼ばれる治療法であります。正味な話、わたしは花粉症ではなくて通年性の鼻炎なんですが、この舌下免疫療法はアレルギー全般に効くとも言われているんですな。


本書によれば、舌下免疫療法のメリットは、

  1. とにかく効果が高い:花粉症の季節になる前から治療を始めれば8割の患者に見られ、治療を止めても7割に効果が持続した。
  2. とにかくお手軽: これまでの免疫治療は、定期的に病院に行って注射をうつ必要があったのが、舌下免疫療法は自宅で液体を垂らすだけでOK。
  3. 根本治療に近い:市販の花粉症薬は、一時的に鼻水やかゆみを止めるだけの対症療法ですが、こちらはアレルギー体質を根っこから治してくれちゃう。



 逆にデメリットは、

  1. とにかく治療期間が長い:治療期間は2年が基本。といっても、最初の3カ月ぐらいでそれなりに効果はあるらしい。
  2. 副作用は多少ある:アレルゲンを体に入れるので、鼻や目のかゆみ、舌の違和感が起こるケースがある。ただし、アナフィラキシーショックのような重い症状はまれ。



というわけで、花粉症に苦しむぐらいなら、やらなきゃ損!なレベルの治療法になっている模様。ちなみに、現在のスギ花粉は戦後の植林政策がもたらしたもので、今後はスギ林が減っていくため花粉発生量も少なくなっていくらしいんだけど、完全に花粉が消えるのは100年後とのこと。それまで生きる可能性がない人は、とりあえず舌下免疫療法をやっといたほうがよさそうっすね(笑)。


もっとも問題もありまして、わたしのように1年中アレルギー症状が出ている人には効かない可能性もあるらしい。 普段からアレルギーの抗体が体のなかに出まくってるんで、舌下免疫療法でわざとアレルゲンを入れちゃうと、一気に症状が悪化するケースも考えられるとか。ハウスダストや通年性アレルギーに対する舌下免疫療法は、今後の研究の発展を待つしかないっぽい。うーん、ガックシ…。


そんなわけで、花粉症のかたは舌下免疫療法を考えてみてはいかがでしょ。免疫治療そのものは、超昔からある効果の確立された方法ですからね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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