玄米から作った「ライスプロテイン」ってちゃんと効果はあるの?
ライスプロテインとホエイプロテインの効果の差は?
ライスプロテインについてご質問をいただきました。
ホエイプロテインはアレルギーが心配であまり使いたくないと思っています。鈴木さんはソイプロテインはあまり評価していないようですが、ライスプロテインはいかがでしょうか?ホエイプロテインとくらべて効果は確認されているのでしょうか?
とのこと。確かにホエイは非常に優秀なプロテインなんですが、アレルギー体質の方にはオススメできませんからねぇ。
その点、ライスプロテインはおもに発芽玄米から作られてまして、アレルギー物質はほぼゼロ。腸内が敏感な方にもうれしい仕上がりになっております。
ただし、「ホエイと比べて効果はどうなの?」と聞かれるとお答えが難しいところではあります。ライスプロテインって歴史が浅い商品なんで、そこまでデータがないんですよね。
ライスプロテインのスコアは低い
というわけで、まずは各プロテインのDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)を見てみましょう。これは、アミノ酸がどれだけ腸でどれだけ消化されるかを表した数値です。
たぶんプロテインが好きな方なら、アミノ酸スコアとかPDCAASなんて言葉をご存じでしょうが、DIAASはその最新版とでもお考えください。とにかく、現時点では「もっともプロテインの質がわかりやすい!」と言われてる数値であります。
で、2012年にマッセー大学が行ったレビュー(1)だと、各プロテインのDIAASスコアはこんな感じです。
- ホエイプロテインアイソレート 1.09
- ホエイプロテインコンセントレート 0.97
- ソイプロテイン 0.90
- ピープロテイン(えんどう豆) 0.82
- ライスプロテイン 0.37
まー、こうして見るとライスプロテインのスコアが段違いで低いっすね。
大量に飲めばライスプロテインでも十分に効果が
ではライスプロテインがダメかと言えば、完全にそうとも言い切れない感じではあります。というのも、2013年にタンパ大学がライスプロテインとホエイプロテインの比較を行ってまして(2)、なかなか良い成績を出しているんですよ。
これは24人の学生を対象にした実験で、
- 1日にライスプロテインを48g飲む
- 1日にホエイプロテインを48g飲む
の2グループにわけて週3の筋トレをしてもらったんですね。
そこから8週間後の結果をくらべてみたところ、両グループに目立った差はなし。筋肉量、筋力、体脂肪の減少率など、いずれも同じように改善してたんだそうな。これだけ見ると、意外とライスプロテインも役立ってくれそうではあります。
もっとも、この実験には難点がありまして、
- コントロールグループ(プロテインを飲まない群)がない
- 1日に48gもプロテインを飲んでいる
の2つが判断を難しくしております。ちなみに、すべての参加者は1日の総カロリーの25%をタンパク質にしてたそうで、ここに48gもプロテインを追加したら、どんな商品でも効果は出るんじゃなかろうか、とも思うわけですね。
まとめ
そんなわけで、現時点でライスプロテインに言えることは、
- アレルギー体質の人には間違いなくライスプロテインはアリ
- ただし、ホエイより質は低いので、アレルギー以外の人が選ぶほどのメリットはない
- ライスプロテインを飲むときは、十分にハイプロテインな食生活を心がける
の3点ですかねぇ。まぁ、ベジタリアンの方やアレルギー体質の方は選択肢が少ないので、ライスプロテインは十分に良い商品かと思います。どうぞよしなに。