ヨガの「 スダルシャンクリヤ呼吸法」がメンタルに超効くかも
スダルシャンクリヤで大うつ病が改善
「呼吸法がメンタルにいい」って話はかなり検証が進んでいて、ほぼ間違いのない話。「パレオダイエットの教科書」でも、睡眠の章でストレス対策用の呼吸法を紹介してたりします。
で、新しく出た論文(1)では、「スダルシャンクリヤ呼吸法で大うつ病が改善!」って結果が出てておもしろいんですよ。8週間の呼吸法トレーニングで、重度の鬱病が大幅によくなったというんですね。
スダルシャンクリヤってなに?
スダルシャンクリヤってのはヨガのテクニックで、大まかに3パターンの呼吸法から成り立っております。
- 勝利の呼吸:1分間に2〜4回のペースで超ゆっくりと呼吸を続ける。その際の意識は、呼吸が鼻やノドを通り抜ける感覚に集中する。呼吸瞑想に近いですね。
- 肺呼吸:3〜5分ぐらい「勝利の呼吸」を続けたら、今度は1分に30回のペースで高速の呼吸を行う。
- チャンティング:肺呼吸を1〜2分続けたところで「オーム」ってマントラを3回くり返す。このとき、1回のチャンティングをできるだけ長く続けるのがコツ。
最後のマントラがスピリチュアル臭くてイヤな人(私ですが)は、「あー」でも「うー」でも何でもいいです。要するに、言葉に乗せて肺の中の空気を出しきるのが大事なんで。
8週間のトレーニングで大幅な改善が
さて、この実験は25人の男女を対象にしたもので、みんな大うつ病の診断を受けた人ばかり。全員が抗うつ剤を処方されているものの、とくに症状の改善がみられなかった人だけを選んだみたい。
で、実験では参加者を、
- スダルシャンクリヤトレーニング
- 何もしない
の2グループに分類。呼吸法を受けたグループは、最初の週だけ6回のスダルシャンクリヤのトレーニングをして、残りの7週は週に1回だけセッションを受けたとのこと。
それでどんな結果が出たかと言うと、
- 呼吸法をやった参加者は、鬱病テスト(HDRS-17)が22から12点に改善!
って感じ。ざっくり言うと、深刻な鬱病から中レベルの鬱病まで症状が減ったぐらいのイメージ。また、どの参加者にも副作用はなかったそうで、このへんも素晴らしいですね。
手軽でローコストな治療法としてアリ
研究者いわく、
抗うつ剤で効果が出ない患者は少なくない。そういった個々の患者に対して、違ったアプローチを処方するのは大事なことだ。今回の実験では、クスリよりも低コストで、ちゃんとした効果を持つ治療法の可能性が示された。
とのこと。まぁ実験の手順をくわしく見ると、スダルシャンクリヤのグループは、ほかにも「ストレス教育」とか「瞑想法」なんかの指導も受けてたみたいなので、たんに呼吸法だけでそこまでの効果が出るかはよくわからんところではあります。
が、なんせ呼吸法は手軽で金もかからないし、副作用もなさげな方法なんで、とりあえず抗うつ剤と組み合わせて使ってみたらいいっすよね。ちなみに、もっと手軽なスダルシャンクリヤの方法については、以下の動画をどーぞ。「片鼻呼吸法」のメソッドと組み合わせて、コンパクトにまとまっております。
Sudarshan Kriya - A Yoga Breathing Instruction Tutorial from cfsKnowledgeCenter on Vimeo.