「記録するだけで痩せる!」系のダイエット法って効果あるの?
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記録すれば痩せる!はどこまで本当?
たまーに「心理テクだけでどこまで痩せられます?」みたいな質問を受けることがあります。具体的に食事や運動を変えず、心理的なテクニックだけでダイエットはできるのかって問題っすね。心理系のダイエット法もいろいろありまして、有名なところではNHKが推奨してる「計るだけダイエット」とか、肥満外来で使われてる「メンタルダイエット」とか、ひたすら食ったものを記録する「レコーディングダイエット」とか。
いずれも「脂肪を減らそう!」とか「ウォーキングしよう!」といった指示を出さず、日常生活を記録して、自然と「自分のライフスタイルの何が悪いのか?」に気づいてもらうのがポイントになっております。果たして、こういった心理系のダイエットは効くのか、と。
といったところで、いまんとこ最も参考になるのが2009年のメタ分析(1)。信頼のブランド「コクラン共同計画」が、36件のデータをまとめた内容になっております。
行動療法系テクニックの効果は?
ダイエットの効果をチェックしたのは、- 行動療法:毎日の体重や食事の記録をつけて、何が悪いのかを意識していく。
- 認知行動療法:行動療法にくわえて、自分の思考の歪みを記録して、「私は何をしても太ったままだ」→「適切なカロリーを減らせば体脂肪は間違いなく減る」という事実を頭にすりこんでいく。
- 催眠療法:催眠で無意識に働きかけつつ、歪んだ思考を修正していく。
の3つ。このほかにもリラクゼーション療法が取り上げられてますが、データの質が低いんで、ここでは省きます。こうして見ると、日本でよく見かけるのは行動療法系のテクニックを取り入れたものが多いっすね。
「記録」には確かに効果があった!
で、どんな結果だったかと言いますと、- 行動療法:だいたい1年ぐらいやると、BMI25以上の人なら -0.6 kg から -5.5 kgぐらい減るかも。ちゃんと食事指導と組み合わせれば10kgの減量は達成できそう。
- 認知行動療法:6カ月の実践で7kgぐらい、12カ月で10kg減るかも(これもBMI25以上の場合)。
- 催眠療法:データ不足でよくわからないが、ただし1件のデータでは、6カ月の実践で7.9kgの減量に成功したとの報告がある。
みたいな感じ。全体的にボンヤリした印象ではありますが、とりあえず「行動療法はちゃんと効果がある!」と言ってよさげ。
とにかく続けやすいものから記録!
研究者いわく、過体重、または肥満の人たちは、心理的なテクニックでメリットを受けられるだろう。特に行動療法か認知行動療法には、ダイエットのスピードを促進する効果がある。もちろん、心理テクだけでなく、食事と運動と組み合わせたほうがいいのは言うまでもない。
とのこと。そう考えると、やっぱ「レコーディングダイエット」とかも手法としては悪くないんすよね。提唱者が激しくリバウンドしたせいで印象が悪いですけど。
ちなみに、行動療法系のテクといってもいろいろありまして、
- 食べた物をすべて記録する
- 体重を記録していく
- 外食の数をチェックする
- お菓子を食べた量を記録する
- 歩数を記録する
- 野菜を食べた量を記録する…etc
などなど。このなかから自分が続けられそうなジャンルを選んで、スマホや手帳に記録していっていただければOKです。このなかだと、体重とか歩数はガジェットで自動的に記録できるんでよろしいのではないかと。
で、記録に慣れてきたあたりで、パレオダイエットの食事法などを取り入れていくと、スムーズに導入できるかなーと思います。どうぞよしなに。