体を老化させない最強の料理油はどれだ?問題
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/06/best-oil.html?m=0
ちょっと前に「まずは油を変えるのが低コストで健康になれる近道」なんて話を書いたところ、「ベストな料理油はどれですか?」みたいなご質問をいただきましたので、ちょっと考えてみたいと思います。
良い料理油に必要な4つの条件
では、まずは「良い料理油」に必要な条件をみてみましょう。とりあえず以下の4ポイントは押さえておきたいところ。1・PUFAとMUFAが少ない
PUFAは多価不飽和脂肪酸の略で、当ブログではおなじみのオメガ3やオメガ6などが代表例。MUFAは一価不飽和脂肪酸の略で、オリーブオイルに豊富なオレイン酸なんかが代表例。どちらも酸化しやすい性質を持っていて、熱ですぐにダメージを受けちゃうんですな(1)。なので、料理に使う場合はできるだけPUFAとMUFAが少ないのが理想。オリーブオイルが緑のガラス瓶に入ってるのも、酸化を避けるのが目的だったりします。
2・煙点が高い
「煙点」ってのは油から煙が出始める温度のこと。ざっくり言えば、どこまで油が高温に耐えられるかを表しております。この点については一般的な傾向がありまして、
- 動物の脂(ラードとか)のほうが熱に強い
- 未精製より精製油のほうが熱に強い
って感じになってたり(2)。つまり、同じココナッツオイルでも、ヴァージンよりも精製ココナッツオイルのほうが煙点は高いんですね。
3・コレステロールが少ない
コレステロールも酸化が怖い物質のひとつ。 酸化でダメージを受けたコレステロールは、ご存じのとおり血管に張り付く傾向がありまして、体を内部から老化させていくんですよ(3)。もちろん食品に入っているコレステロールは問題ないものの、料理油に関しては、
- なにせ高温で使うケースが多い
- 長時間の熱にさらされる場面が多い
ってシチュエーションが多いので 気にしておくとよし。
4・ボーナス点が多い
ボーナス点ってのは、油にふくまれるビタミンやポリフェノールを意味しております。せっかくだから、オマケで体に良い成分がとれるといいなーぐらいの感じですね。では、以上をふまえたうえで、メジャーな油の特徴をまとめてみてみましょう。
MUFA(%) | PUFA(%) | 煙点(精製/未精製) | コレステロール(100g) | ボーナス点 | |
オリーブオイル | 73 | 11 | 190℃ | 0 | ポリフェノール豊富 |
大豆油 | 23 | 58 | 260℃ | 1mg | 低め |
キャノーラ油 | 64 | 28 | 200℃ | 0 | 低め |
バター/ギー | 26 | .03 | 150/250℃ | 210mg | 酪酸が豊富 |
牛脂 | 34 | .03 | 200℃ | 100mg | ビタミンK |
ラード | 45 | 11 | 190℃ | 100mg | ビタミンA・D・K |
紅花油 | 76 | 13 | 270/100℃ | 0 | ビタミンE |
ゴマ油 | 40 | 46 | 230℃ | 0 | ビタミンE |
ココナッツオイル | 6 | 2 | 230/175℃ | 1mg | ポリフェノール豊富 |
パーム核油 | 42 | .1 | 240℃ | 1mg | ポリフェノール豊富 |
マカダミアナッツ油 | 80 | 4 | 210℃ | 1mg | ポリフェノール豊富 |
アマニ油 | 19 | 71 | 105℃ | 0 | ビタミン豊富 |
ってことで、これを見てわかるのは「どれも一長一短だなー」ってとこでしょうね。ざっくり言いますと、
- 動物系の脂肪は熱に強いがコレステロールが多い
- 精製された植物油は熱に強いがPUFAが多い
- オリーブオイルやココナッツオイルのようにPUFAが少ない脂は煙点が低い
みたいな感じでしょうか。つまり「どんな油を使っても高温の料理には対抗できない!」って結論になっちゃいそう。
が、あえて使いみちによってオススメを挙げるなら、
- 高温の料理:パームオイル、精製ココナッツオイル、未精製のギー、グラスフェッドバター、牛脂
- 低温の料理:オリーブオイル、ヴァージンココナッツオイル、ナッツ系の油
- 加熱しない:アマニ油、フィッシュオイル、タラ肝油
って感じになるでしょうね。市販の大豆油やキャノーラ油については、以前にも書いたとおり精製の過程で酸化が進んでいるケースが多いので基本的には除外しております。それでも使いたいときは、コールドプレスの商品を選ぶのが吉でしょうねぇ。
まとめ
そんなわけで、以上の話をまとめると、- 油は調理の温度によって使い分けたいところ
- 高温の調理は止めたほうがよし。どうしてもやりたいなら動物系の脂を使うといいかも
- 一般的な料理にはオリーブオイルかココナッツオイルで万全。ただし新鮮で混ぜ者がないものを使うべし
ってとこでしょうね。まぁ私の場合は近ごろは真空低温調理ばっかりで、料理油を使わなくなったわけですが。