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「自然」の健康&幸福度アップ効果を得るための最低ラインがわかったかもな件

 

自然はいいよねー。ストレス解消法として最強だよねー。みたいな話を「最高の体調」でもさんざん書いております。なんせリラックス効果が高いもんで、個人的にも「ヒマがあれば公園だ!」と主張してたりします(実際、この文章も新宿御苑で書いてるし)。

 

 

で、いまんとこまだハッキリしてないのが「自然の用量」です。つまり、どれぐらいの時間を自然の中で過ごせばストレス解消メリットが得られるのか?みたいな問題っすね。

 

 

この疑問をうまく調べるのは難しい作業ではありますが、近ごろ質が高めな論文(R)が出まして参考になりました。

 

 

これはエクスター大学の論文で、まずは研究チームの問題意識からどーぞ。

 

自然との触れ合いがメンタルに良いのは事実だが、果たして1週間でどれぐらいの時間を過ごせばいいのか? 幸福感と健康レベルが高まる自然との接触時間はどれぐらなのだろう?

 

ってことで、具体的には20,264人の男女を対象にした観察研究になっていて、全員に対して、

 

  • どれぐらい健康に過ごせてます?
  • 全体的にみて、人生にどれぐらい満足してます?

 

みたいな質問をぶつけた上で、さらに「過去7日間にどれぐらい自然の中で過ごしました?」と尋ねてデータを取ったんだそうな。

 

 

ここで言う「自然」ってはどんなものを含むのかと言いますと、

 

  • 公園
  • ビーチ
  • 農場
  • 森林
  • 丘陵
  • 河川敷

 

などなど。一方で、「いつもの通勤路や買い物で通りかかる緑地帯」とか「自宅の庭で土仕事」などは「自然」の条件にふくまれておりません。どうも「わざわざ自然の中に出かける」っていう能動性を重視してるみたいっすね。

 

 

で、ここから年齢や性別、運動の習慣、ペットの有無、人間関係の良好さといった交絡因子を調整したところ、以下のようなことがわかりました。

 

  • 自然のメリットは週に120分を超えてから出る!

 

ってことで、「いま健康で人生にも満足だ!」と答えた人の多くは、週に最低でも2時間を自然の中で過ごしてたそうな。1日15〜20分ずつを割けばいいわけで、かなり現実的なラインじゃないでしょうか。

 

 

研究チームによれば、週に2時間を自然の中で過ごすメリットは、次に内容に匹敵するレベルなんだそうな。

 

  • 生活苦から抜け出した時
  • 低賃金の仕事から高賃金の仕事に転職した時
  • 運動不足の人は週150分のエクササイズに成功した時

 

いやー、こりゃちょっとすごい効果量ですな。もちろん、そこまで明確に結論が出せるタイプの研究じゃないんですけど、いよいよ自然の中に出向くモチベーションが上がりますな。

 

 

研究チームいわく、

 

自然が健康と幸福を高めるのには様々な理由がある。ストレスが減るのはもちろん、友人や家族と過ごす時間の質が上がったり、いまの人生に新たな視点な生まれたりするのも大きいのだろう。

 

とのことなんで、食事や睡眠を改善しつつ、週に120分を目指してみたらよろしいのではないかと思う次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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