「高血圧の改善には運動が一番!」だけど、果たして1日どれぐらい運動すりゃいいの?のメタ分析
「高血圧の改善には運動が一番!」ってのは間違いなく、過去にも多くのデータで立証されているところです。
ただ、ちょっと前に取り上げたメタ分析では「有酸素運動と筋トレを一緒にやろう!」って結論こそ出していたものの、「どれぐらいの量の運動をすればいいの?」ってとこまでは判断できなかったんですよね。高血圧を改善するには、有酸素運動と筋トレをどれぐらい行えばいいのか、という問題ですな。
といったところで新たに取り上げるデータ(R)は、「高血圧に効く運動量は?」ってとこをガッツリ調べてくれていて有用でした。
これは過去に行われた「高血圧と運動」に関する観察研究から、わりと信頼性高めな13件を抜き出したメタ分析になってます。総サンプル数は136,846人で、アメリカ、ヨーロッパ、東アジアなどからデータを引っ張ってきてまして、なかなかよろしいんじゃないでしょうか。
で、まず大きな結論から並べていくと、こんな感じです。
- レジャータイムに週1〜3時間の運動をすると、週の運動時間が60分の人に比べて高血圧リスクが11%下がる
- 運動時間を週4時間にすると、週の運動時間が60分の人に比べて高血圧リスクが19%下がる
- 運動の種類は、ウォーキングでもサイクリングでもジョギングでも水泳でもなんでもOK!
というわけで、とりあえず空いた時間に1日30分ずつウォーキングでもすれば、高血圧改善の最低ラインはクリアできそうっすね。
ちなみに、このデータでは他の知見もいくつか得られてまして、
- 仕事のなかで体を動かす活動については、高血圧改善との相関が見られなかった
- 通勤に使う身体活動についても、高血圧の改善とは相関がなかった
ということで、どうも仕事がらみで体を動かした場合には、なんだか高血圧の改善との相関が見られなかったみたい。ここらへんについては、たんに「仕事の活動」と「余暇の活動」をわけたデータが少ないからか、それとも仕事のストレスでメリットが相殺されちゃったのか、うーん、謎ですねぇ。
研究チームいわく、
高血圧は心疾患と腎臓病のリスク要因だ。ゆえに、高血圧のコントロールは非常に重要になる。
血圧を下げようと思うなら、まず第一に、あなたの余暇にもっとエクササイズをするべきだ。レジャーとして行うエクササイズだけでも、私たちの体重は調整され、インスリン感受性も改善され、血の流れを十分に向上させる。
ということで、とりあえず「仕事以外の時間を使って体を動かそうぜ!」ってポイントが強調されておりました。血圧にお悩みの方は、とりあえず軽い運動を1日30分っすな。