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CBDが不安とストレスに効く!はどこまで本当なのか?のメタ分析

 

CBDオイルが流行ってまして、「不安やストレスに効く!」などと言われるわけです。大麻草に含まれるカンナビジオールって成分を配合したオイルのことっすな。

 

 

個人的にも「どんなもんなのかなー」とか思って端ですが、新しくメタ分析(R)が出てまして、「不安やストレスに関するカンナビジオール(CBD)は効果があるのか?」ってのを調べてくれておりました。

 

 

分析を行ったのはアメリカのニュートリション・フォーミュレーターって会社で、

 

  • 2019年と2020年に発表された76本の論文をピックアップ
  • CBDがうつ病、睡眠、パニック障害、認知症、炎症、代謝、行動、パーキンソン病、精神疾患に与える影響をまとめる

 

みたいな感じで、CBDの実力をチェックしてくれております。まずは著者らの結論からまとめると、

 

CBDによる不安とストレスへの効果は、今回のレビューで最も明らかにされたジャンルだ。ヒト(22.2%)と動物(15.6%)の両方を対象とした研究が、生体研究の37.8%を占めていた。

 

今回の研究で得られた証拠は、CBDが不安、ストレス、うつ病、行動障害などの治療の有望な代替手段であることを裏付けている。

 

とのこと。いまんところのデータだと、CBDにはそれなりに使う意味があるかもしれないんだ、と。

 

 

いちおうざっくりと内容をまとめておくと、

 

  • うつ病への使用については、3つの研究のうち2つがポジティブな改善を示した

  • 認知機能については、3つの論文のうち、CBDの使用が肯定的な結果に結びついたのは1つだけだった

  • 研究における1日の摂取量は1日50~600mgと大きく異なっており、最適な量はよくわからない
  • CBDの副作用による肝機能への影響や、CBDが体内でどのように作用するかについても、まだよくわからない

 

といったあたりがポイントになります。いまんとこメンタルの改善については可能性があるものの、安全性の面ではもうちょい試験が進まないとなんとも言えんなーってとこですかね。

 

 

で、今回の研究をもって私がCBDオイルを使うかどうかですが、だいたい今の感想は以下のようなところです。

 

  • ちょっと試してみたい気持ちはある
  • ただし、現時点での証拠はめちゃくちゃ弱い(レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群にはそこそこ効く可能性はある)

  • 副作用についてはあんま研究が進んでいない

 

ってとこはありまして、いまんとこは様子見かなーって気がしております。

 

 

別にCBDが無意味とか危険だとか言いたいわけではなく、ただ「現時点ではよくわからん」としか言いようがないんで、もっと研究が進んでからでも遅くはないかなーと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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