目標の達成率を確実に上げるテク「誘引バンドル」の効果とか実践する際の注意点とか
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前回に引き続き、「変わる方法(How to Change)」って本を参考に、「いかに前向きな変化を起こすか?」ってところを見てみましょう。前は「フレッシュスタート効果」にまつわる話でしたが、今回は「誘引バンドル」のお話です。
誘引バンドルは以前にも取り上げたことがある目標達成&習慣化のテクニックで、ざっくりまとめれば、
- 「大好きなもの」と「嫌だけどやらなきゃいけないこと」を組み合わせよう!
みたいな発想です。「掃除をしながらネトフリを見る」や「オーディオブックを聴きつつ運動」とか、そんな感じっすね。シンプルな方法ながら複数の実験で効果が認められていて、手持ちツールのひとつとして覚えておくと良い感じです。
もともとは本書の著者であるミルクマン博士が命名したものでして、具体的なやり方については「「誘引バンドル」を正しく使う3ステップ」でまとめてまして、以前の話を再掲すると、
- 「超好きなもの」と「嫌だけどやらなきゃならないもの」をピックアップ
- 「嫌だけどやらなきゃならないもの」をやったときだけ「超好きなもの」が手に入るようにルール設定
- もし「嫌だけどやらなきゃならないもの」ができなかったときは「超好きなもの」を捨てるよう友だちに頼む
みたいになります。この基本をふまえた上で、以前のエントリで取り上げていなかった大事なポイントをチェックしておきましょう。
▼誘引バンドルの効果とか
- ミルクマン博士の研究によれば、「習慣化がするのが難しいなー」と感じている人ほど誘引バンドルの効果は高い(つまり、意志力が発揮しづらい状況のときほど、誘引バンドルは効果を発揮する)
- 誘引バンドルの方法について説明しただけでも、1カ月間のプログラム期間中に少なくとも週1回のワークアウトを行う可能性が7%ポイント上昇した
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博士自身は、「気難しい学生との指導セッションの時にだけお気に入りのハンバーガーショップに行ける」という誘引バンドルを使っており、そのおかげでジャンクフードの摂取量が減ったとのこと。かわいいエピソードですな
- その他の活用例としては、自炊の量を増やしたり(例:コンロの前でないとワインは飲まない)、プロジェクトを終わらせたり(例:ポッドキャストを聴く時間をスクラップブックを作る時間にあてる)など、あらゆる問題に応用できるのが「誘引バンドル」の魅力
▼誘引バンドルの注意点とか
- もちろん、すべての活動に誘引バンドルを使えるわけではない。例えば、新着メールに返信する作業には脳の処理機能を多く使わねばならないため、オーディオブック、ポッドキャスト、テレビ番組を一緒にするのは無理。というかパフォーマンスが下がるのでやるべきではない
- 要するに、認知的に負荷がかかる作業は、その他の認知的に負荷のかかる作業と組み合わせることはできないので注意。その場合は別のツールを検討した方が良い
- また、誘引バンドルはあくまで自分自身を律するためのテクニックなので、他人の変化を助けるために使える確実な戦略でもない。相手が完全に乗り気でないと誘引バンドルは簡単にごまかすことができてしまうため、自分の行動に変化を起こしたい時にだけ使うべし
- 誘引バンドルが万全の効果を発揮するには、1)モチベーションを高める必要のある作業をしているときに、2)嗜好品の使用をちゃんと制限できるという2つの条件を満たしておかねばならない(例えば、ジムでオーディオブックを聴くように決めた場合は、自宅や車といった他のシチュエーションでは使ってはならない)
ということで、認知負荷の問題さえちゃんと押さえておけば、誘引バンドルは良い習慣化のテクニックじゃないでしょうか。とにかく「習慣にしたいものと好きなものを同時にできないか?」と考えてみると、行動がはかどって良いかもしれません。