高度な筋トレテク「ドロップセット&レストポーズセット」は本当にやるべきか?問題
筋トレにはいろんな方法がありますが、なかでも有名なのは、
- ドロップセット(決めたセットを行ったら重量を減らし、すぐに軽い負荷でセットを継続する)
- レストポーズセット(決めたセットを行ったら非常に短い休憩を取り、その後でセットを継続する)
のふたつでしょう。どちらも「上手に使えば、より早く、より多くの筋肉をつけることができる!」と言われる一方で、「下手に使うとオーバートレーニングになる可能性がある!」などと言われていて、筋トレ好きとしては気になっちゃうわけです。
ちなみに、両者とも過去にこのブログで取り上げたことがありまして、
といったデータを取り上げております。くわしくはエントリをお読みいただければと思いますが、いまんとこの印象を申し上げますと「ドロップセットもレストポーズも劇的な効果があるわけじゃないけど、試す価値はあるのかなー」ってぐらいでしょうか。
では、正味なところ、この2つのトレーニングにはどれぐらいの意味があるのか?ってことで、そこらへんを調べた実験(R)が出ておりました。参加者は最低2年の筋トレ歴がある若い男性(18~30歳)28名で、実験では全体を3つのグループに分けてます。
- 昔ながらの筋トレ:スクワット、レッグプレス、ニーエクステンションを1RMの70%で12回×4セット
- ドロップセット:1RMの75% → 55%で10レップ+6レップの3セット。つまり、75%で10セットを行った直後に、バーを1RMの55%まで下げて、さらに6レップを行う
- レストポーズセット:1RMの75%で10回+6回を3セット。つまり、10回のセットの直後に、セット内で20秒間の休息をとり、その後、1RMの75%で6回のレップスを行う
3グループともセット間に2分間の休息をとり、週2回のトレーニングを行ったとのこと。そのまま8週間のトレーニングを続けてもらい、どれだけ筋力と筋肉量が育ったかをチェックしたんだそうな。
で、結果を見てみると、こんな感じになります。
- 総トレーニングのボリューム(レップス×セット×負荷)については、3つのグループで差はなかった(ただ、細かく計算すると「ボリュームが同じになるか?」という疑念はわくのですが)
- スクワットの筋力は、3つのグループとも有意(p<0.05)に増加したが、レストポーズセット群の増加量は普通の筋トレよりも大きかった(p=0.001)
- 太ももの筋肉量については、グループ間で有意な差はなかった
ってことで、いろんなポイントについては、レストポーズセットのみ下半身の筋力が有利かも?ってぐらいで、全体的な筋力や筋肉量については変わらないって感じですね。
こうして見ると「やっぱり特殊な筋トレ法って一貫して優れた結果が出るわけじゃなさそうだなー」って印象でして、純粋に「筋力か筋肉量を増やしたい!」ってだけなら通常どおりの筋トレをしてれば十分っぽいですね。あと解決されていない観点としては、
- ドロップセットやレストポーズセットは、通常の筋トレじゃもう筋肥大が起きなくなった人が使うと良いのかも?
- 従来の筋トレと同じ効果が得られるなら、やはり時短効果は見込めるのでは?
ってとこはあるでしょうね。ここらへんはまだよくわからんポイントですが、特に後者の「時短効果」については割と見込みがありますので、「なるたけ短時間で筋トレしたい!」という方はお試しいただくのも良いんじゃないかと思うわけです。どうぞよしなに。