定番の筋トレテクニック「ドロップセット」でどこまでムキムキになれるのか?
ドロップセットはどこまで意味があるのか?
「ドロップセット」っていう有名な筋トレ法があるわけです。簡単に言いますと、
- 筋肉が動かせなくなったら、いったん軽いウェイトに切り替えてさらに2〜3回の筋トレを行う
みたいな方法です。いったん限界まで筋肉を使った後で負荷を軽くして、さらに体を追い込んでいくわけですね。大昔からスーパーセットと並んで定番の手法で、普通の筋トレよりも素早く筋肉が増えるというんですな。
といっても、ドロップセットにどれぐらいの効果があるかはよくわからなかったんですが、近ごろさらに細かく調べた論文(1)が出まして、かなーり参考になりました。
ドロップセットのメタ分析を見てみよう!
これは筋トレ研究の鬼として有名なブラッド・シェーンフェルド博士の研究で、過去に行われたドロップセット実験から21件のデータをまとめたメタ分析になっております。つまり科学的な信頼性は高め。
では、この分析で何がわかったかを並べて行きますと、まず大事なのは、
- 基本的にドロップセットはストレートセット(いわゆる普通の筋トレ)より筋肉が増える傾向がある
- ただし、その効果は、ドロップセットによって筋トレの回数が増えたのが原因である可能性も高いんで、本当の実力を判断するのは難しい
- ドロップセットのほうが筋トレ後の成長ホルモンは出やすいが、これで長期的に筋肉が増えるという証拠はない
って感じです。いやー、ちょっともやっとした結論ですね。確かに、ドロップセットを使うと必然的にワンセットのトレーニング回数は多くなるんで、「たんに筋トレのボリュームが増えたから筋肉がついたのでは?」と言われても検証が難しいんですよね。
一部のデータではドロップセットが凄い可能性もある
ただ、なかには「やっぱドロップセットって凄いのでは?」と思わせる研究もあったりします。例えば2017年の実験(2)では、8人の男性を対象に筋トレをしてもらいまして、その際に、
- ドロップセット:12RMで筋トレをしてもらった後、負荷を20%減らしてから3回ほど追加
- 伝統的な筋トレ:12RMの筋トレを3セット
の2グループに分けたんだそうな。この設定では、ドロップセットグループのほうが、格段に筋トレの総量が少なくなっております。
ところが、6週間後に筋肉の厚みを測ったところ、不思議なことにドロップセットグループは、伝統的な筋トレにくらべて2倍も量が増えてたんだそうな。もちろん、これはたった8人の実験なんで統計的には有意な結果が出ておりません。これが本当なら素晴らしいんですけど、うのみにするのも怖い感じかも。
まとめ
そんなわけで、以上の話をふまえた上で個人的な感想としては、
- イマイチ筋肉の発達に伸び悩んでる人が、ドロップセットを導入するのは大いにアリ
- 普通の筋トレよりドロップセットが優れてるとは断言できないものの、「手軽にトレーニングの総量を増やせていいよねー」ぐらいの気持ちで使うと良さげ
みたいなとこでしょうか。昔ながらの筋トレに飽きた人が、目先を変えるために使うと効果が出やすいんじゃないでしょうか。
かくいう私も近ごろはドロップセットを導入してまして、だいたい限界が来てからマイナス10%ぐらいの負荷に変えて、再び限界になるまでバーベルを上げ下げしております。限界を感じたところから負荷を下げるんで、ドロップセットって気分的にラクでいいんですよね。