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自分の魅力を爆上げするコミュニケーション術「バランスの取れたプラグマティズム」とは?

 


意見が異なる人と話をするのは大変なもの。陰謀論や疑似科学を信じ込んでいるような相手との会話は、なかなかにしんどいものがあります(私も何度か経験があるのでよくわかります)。

 

とはいえ、長い人生では、意見を異にする人たちと議論しなければならないシチュエーションがあるはず。友人がヤバいビジネスにハマったり、上司が明らかに間違った指示を出してきたりといった場面では、どうにかして対話をしなければならないケースは珍しくないでしょう。

 

では、そんな時にどうすれば良いのかってことで、「意見が違う人とガッツリ話し合うにはどうすればいいのか?」ってところを調べたデータ(R)が発表されてて勉強になりました。意見が違いすぎる相手とは感情がこじれやすく、そもそも話し合いのスタートラインにすら立てないことが多いわけですが、この問題をどうすればいいのかってことですね。

 

細かい話をする前に、まずはこの研究の結論から言っておくと、

 

  • 意見が異なる相手と話し合うには“バランスの取れたプラグマティズム”が超大事だ!

 

みたいになります。研究チームが「バランスの取れたプラグマティズム」と呼ぶ態度を取っていれば、難しい相手とコミュニケーションを取らねばならない時も、「この人とはちゃんと話してみたい!」と向こうから思ってくれるようになるんだそうな。

 

「バランスの取れたプラグマティズム」ってのはコミュニケーション戦略の一種でして、大きく2つの大事な要素で構成されてます。

 

  1. 意見が違う人々の意見をちゃんと考慮する姿勢を見せる(つまり、バランスが取れている)

  2. 困難な問題に対して、実際に役立つ解決策を模索する姿勢を見せる(つまり、プラグマティックである)

 

このように、相手の立場や意見を尊重する姿勢を見せ続けながら、ひたすら現実的な解決策を考えて行くのが「バランスの取れたプラグマティズム」であります。この研究によれば、単に論理的な分析やデータで話を進めたり、こちらの意見の権威をアピールしたりといった戦略よりも優れているらしいんですな。

 

一例を挙げると、「バランスの取れたプラグマティズム」を実践した会話ってのは、以下のようになります。

 

  • Aさん: 新しい技術を導入するなんて、リスクが高すぎるよ。これ以上無駄に予算を使うべきじゃない。そんな技術に頼るより、現行のやり方を改善する方が賢明だと思うが?

  • Bさん: そうですね、リスクは確かにあります。ですが、この技術が成功すれば、生産性が大きく向上する可能性があるので、リスクと利益を慎重に天秤にかける必要があると思います。導入のリスクを減らすために、試験的に段階的に導入するのはどうでしょうか?(段階的導入を提案して、プラグマティズムを実践している)

  • Aさん: でも、今さら新しい技術を試しても、うまくいく保証なんてないだろ?無駄になるだけじゃないか。

  • Bさん: 確かにその可能性はあります。具体的には、どのような部分に最も不安を抱いているのかを教えていただけませんか?(相手の思考を掘り下げる姿勢を見せて、バランスを実践している)
  • Aさん: 私が心配しているのは、予算のオーバーランと、チームが新しい技術に対応できない可能性だ。
  • Bさん:その不安はおっしゃる通りだと思います。それでは、最初に少額の予算で小規模に試験導入し、その結果を見てから本格導入を検討するのはどうでしょう?その過程でうまくいかないと判断したら、そこで止めることもできます。(さらにプラグマティズムを実践)

 

まぁ、このような会話をしたからといっても、必ずしも事態がうまく進むとは言い切れないんですけど、感情にまかせて自分の意見をゴリ押しするよりはよほどマシなのは確実でしょう。

 

で、今回の研究では、3,500人以上の参加者を対象に8つの試験を行ってまして、それぞれでバランスのとれたプラグマティズムのメリットを検証しております。その結果をざっくりまとめると、だいたい以下のようになります。

 

  • いろんな議論をしている政治家の動画を参加者に見てもらった実験では、他の意見に対する寛容さを見せた政治家と(つまり、バランスが取れた政治家)、困難な問題に対する解決策を見つけたいという意欲を示した政治家(つまり、プラグマティック)ほど、「この人は有能で優しそうなので、もっと話を聞いてみたい」と思われやすかった。この傾向は、参加者がどの政党を支持するかどうかに関わらず確認された。また、「バランスの取れたプラグマティズム」に、これといった副作用は見られなかった。

 

  • 多くの人は、意見が違う人々に対して「道徳的」「知的」「理性的」「真実を話している」と感じられた時に、最も良い印象を抱いていた。

 

というわけで、「バランスの取れたプラグマティズム」には、「この人は倫理があるし、頭が良いし、感情に流されないぞ!」と思わせる力があり、それゆえに「もっと会話をしたい!」って気分を生むわけですね。その効果は、「論理的に意見を述べる人」よりも格段に高いため、「論理的に話すぞ!」と考えるよりも、バランスの取れた現実主義者を目指す方が有効に話を進められそうっすね。

 

研究チームいわく、

 

驚くべきことに、参加者は、バランスの取れたプラグマティズムを使う相手とは、それが仮定の人間だとしても会話をしたいと切望した。 バランスの取れたプラグマティズムを実践するのは難しいものだが、そうすることで、相手は「私は尊重されている」と感じ、コミュニケーションの意欲は大幅に高まる。

 

とのこと。これは日常のコミュニケーションでも心がけたいポイントですねー。


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