夜中にスマホやPCを使うと、カロリーをひかえても運動をしても体脂肪が増えるかも
ここ数年、「夜中にスマホやパソコンを使うと太る!」って話をよく聞くようになりました。その仕組みはまだよくわかっていなくて、個人的には、
あたりが原因かなーとか思っておりました。
夜中に人工光を浴びると太る!
が、近ごろオランダのライデン大学から出た論文(1)を見てたら、あらビックリ。夜中に人工光を浴びる時間が長くなるほど脂肪が燃えなくなっちゃうんだそうな。
これはマウスを使った実験でして、1カ月にわたって以下の3パターンで人工光を浴びせ続けたんだそうな。
- 1日12時間
- 1日16時間
- 1日24時間
すると、人工光を浴びまくったマウスたちは、別に食べ過ぎたわけでも運動をしなかったわけでもないのに、みるみる太っていったたらしい。これは恐ろしい。
人工光が脂肪を燃やす褐色脂肪にダメージを
こういった現象が起きるのは、どうも自律神経系がブルーライトでダメージを受け、そのせいで褐色脂肪細胞の働きが鈍っちゃうから。
おさらいしますと、褐色脂肪は、一般的な体脂肪(白色脂肪)とは違って、体内であまったカロリーをエネルギーに変える働きを持っております。つまり、褐色脂肪細胞を多く持つ人は食べても太りにくいわけですね。
もちろん、ここでご紹介したのはマウス実験ですが、褐色脂肪の働きに関してはほぼヒトと変わらないうえに、2010年にも「睡眠不足のヒトはカロリーの代謝量が大幅に下がる!」ってデータ(2)が出てまして、かなり可能性は高いのではないかと。
ちなみに、褐色脂肪細胞の量はほぼ遺伝で決まってまして、なかなかトレーニングでは増やしづらいのが悩ましいところ。過去に紹介した話では、
のように、とにかく全身を定期的に冷やすのがポイントであります。余談ですが、古代ローマでは「氷風呂」が活力アップの方法として使われてまして、これも褐色脂肪を増やす効果があったからじゃないかなーとか愚考しております。
まとめ
といっても、基本的には褐色脂肪細胞を増やすのは難しいので、やはりできるだけ自律神経系にダメージをあたえないのがポイントになるかと。つまり、今回の論文の教訓としては、
- ダイエットを始める前に、まずは睡眠を改善せよ!
ってことでしょう。もちろん睡眠不足でもカロリーを減らせば痩せはするでしょうが、かなりのハンディを背負っちゃうことは間違いなさそうですねー。
credit: Ian Muttoo via FindCC