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自分の良いとこを5分紙に書くだけでもプレッシャーに強くなる

Writing

昔なんかの本で「自分の良いとこを紙に書きだそう!」みたいな自己啓発系のアドバイスを見かけたことがあって、「うさんくさいな〜」とか思ってたんですが、近ごろ出たデータ(1)を見てたらまんざらデタラメでもないみたい。



これはトロント大学の実験で、134人の参加者(うち女性が6割)を対象にして「プレッシャーに上手く対処する方法」を調べたもの。それぞれ同性でペアを組みまして、以下の2つのキャラを演じてもらったんですな。

  • 採用試験の面接官(プレッシャーが低い)
  • 就職活動生(プレッシャーが高い)

で、さらにプレッシャーを高めるために、就職活動生役の参加者には「これは、あなたの交渉スキルを判断するためのテストです」とウソを言っておいたんだそうな。


その後、全員に賃金や休暇の交渉をロールプレイしてもらったんですが、プレッシャーが大きいグループの結果はさんざん。就職活動生を演じた参加者は、いずれも上手く自分の意志を伝えることができず、プレッシャーが低い場面よりもパフォーマンスが下がっちゃったそうな。まぁこれは当たり前ですね。


が、ここでひと工夫。プレッシャーが高い参加者に対して、事前に「自分が持っている能力のなかで、交渉に使えそうなものを5分間だけ紙に書いてください」と指示したんですね。すると、紙に書いたグループは、交渉スキルがガッツリと上昇しまして、プレッシャーの強い場面でも意思表示ができるようになったそうな。


研究者いわく、

自分のよい面に、もっと意識を向けるべきです。それなりに上手くやれる能力は、誰にでも備わっています。パフォーマンスの差は、プレッシャーに対してどのような反応をするかだけの違いで生まれます。

自分の能力への期待値が低いと、あなたは無意識にその基準に合わせようとします。自分のよい面を紙に書くことで、この問題が中和されるのです。

とのこと。紙に書くのは何でもよくて、たとえば仲の良い友人や家族、自分の強み、過去に行った良いことなど、その状況とは無関係のことでもOKらしい。これは手軽でいいですなぁ。


credit: dotmatchbox
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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