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月に5日の「モノマネ断食」でも十分なアンチエイジング効果は得られる!



当ブログでは、昔から「プチ断食」をオススメしております。定期的に12〜24時間ぐらいの長さで食事を絶つ方法で、脂肪を燃やす効果が高いのはもちろん、体内のよぶんなタンパク質を掃除する作用もあって、アンチエイジングにもかなり効いてくれちゃう。


とはいえ、慣れないと実践が難しいのも確かで、なかには「やっぱ1日3食じゃないと無理…」というケースも少なくない感じ。そんな方に超オススメしたい論文が、あらたに「セルメタボリズム」って一流の学術誌に出ておりました(1)。


これによると、完全に食事を絶たない「モノマネ断食」のテクニックを使っても、十分にアンチエイジング効果は得られるというんですね。



 

 

1か月のうち5日間だけ「1日の維持カロリーからマイナス34〜54%を引いた」食事をする

研究者いわく、

厳格なファスティングは続けるのが難しく、危険をまねくこともある。そこで、わたしたちは同じような効果を得られる食事法をあみだした。個人的にも試してみたが、この「モノマネ断食」は、より簡単でより安全性が高い。


とのこと。なかなかの自信ですねぇ。


具体的にどんな実験だったかというと、19人の男女に以下の食事法を実践してもらったんだそうで。

  • 1か月のうち5日間だけ「1日の維持カロリー(いまの体型をキープするために必要なカロリー量)からマイナス34〜54%を引いたカロリーの食事」をとる
  • 残りの25日間は、いつもどおりの食事をしてもらう


研究者によれば、維持カロリーからおよそ40%ぐらいを減らすだけでも、ファスティングに似た効果を得るには十分なんだとか。



老化が遅くなるどころか若返る

で、3か月後の結果はと言いますと、

  • 糖尿病リスクが低下!
  • 心臓病のリスクが低下!
  • ガンのリスクが低下!
  • 腹回りの脂肪が減少!
  • 記憶の機能がアップ!
  • 長寿の源といわれるステムセルが増加!



などなど、あらゆる生体マーカーが改善した模様。いやー、これはすごい。




さらに研究者いわく、

この方法は、体の老化スイッチをスローモードに切り替える効果を持っているうえに、ステムセルの増加によって若返りの作用ももたらすようだ。



とのこと。老化が遅くなるだけでなく、本当に若返ってしまうんだ、と。「モノマネ断食」おそるべし。

モノマネ断食のやり方

そんなわけで、モノマネ断食の具体的な方法としては、

  1. 自分の維持カロリーを出す:維持カロリーは、以前に紹介したTDEEを使って割り出してもいいし、めんどうなら「いまの体重(kg) × 33」って式でおおまかな数字を出してもOK。
  2. 維持カロリーに0.6〜0.7をかける:わたしの場合だと、維持カロリーは1900ぐらいなんで、だいたい1,100〜1,300Kcalぐらい。以前に腹筋を割るときに摂取してたカロリーと同じぐらいのレベルですね。
  3. 計算で出したカロリーの食事を月に5日間だけ続ける:あとは上で出したカロリーを守った食事を5日つづければOK。残りの日は好きに食べましょう。


 って感じ。「毎月第2週めの平日はモノマネ断食をやる!」とか決めちゃうといいかもですね。


ちなみに、注意点としては、

  • モノマネ断食中の食事は野菜がメイン:低カロリーは体にストレスをあたえるので、できるだけビタミンやミネラルが豊富な食事をして、体へのダメージをやわらげましょう。基本的には「カロリーの質が高い炭水化物を食べよう!」でご紹介したガイドラインに沿った食材を選べばよいかと思います。
  • 脂肪もちゃんととる:脂肪をとらないとビタミンが吸収されないので、ちゃんと良い脂肪を食べるべし。今回の研究では、だいたい総カロリーの44〜55%を脂肪にあてていた模様。
  • BMIが18以下の場合は禁止:BMIが低いと低カロリーのダメージに体が耐えられないので、まずは太ることを考えたほうが吉。
  • 糖尿ぎみな人も絶対に禁止:インスリン感受性が低い場合も、断食のダメージで症状が悪化する可能性が高いのでNG。



 といったところ。カロリーを減らすと、どうしても栄養バランスが崩れがちになるんで、「野菜中心!」ってのはかなり重要なポイントかと思います。これはかなり興味深いので、わたしもさっそく試してみるつもり。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。