スーパースロートレーニングは普通の筋トレより効果的なのか?
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こないだ「速い筋トレと遅い筋トレに優劣はないですよー」という話を書いたところ、「スーパースロートレーニングはどうなんですか?」とのご質問をいただきました。
スーパースロートレーニングとは?
スーパースロートレーニングは、その名の通り超ゆっくりやる筋トレのこと。ウェイトを10秒かけて上げて5秒で下ろす作業を、だいたい5〜6回ぐらいくり返して1セットになります。
そのためトータルの筋トレ時間は短くなりますが、実際にやるのはかなりキツいです。感覚的な辛さは普通のトレーニングの3倍ぐらいかも。
筋力は伝統的な筋トレのほうがつきやすそう
では、実際にスーパースロートレーニングには効果があるのかを考えてみましょう。まず参考にするのは2001年にジョージワシントン大学が行った実験(1)。14人の女性を半分にわけて、以下の筋トレを10週間ほど続けてもらったんですね。
- 伝統的な筋トレ:1回の筋トレを6秒で行う。1セットは8〜12回。
- スーパースロートレーニング:1回の筋トレを15秒で行う。1セットは8〜12回。ウェイトは伝統的な筋トレより軽くする。
その後、全員の最大筋力をチェックしたところ、
- 伝統的な筋トレグループは、全体的な筋力がスーパースロートレーニンググループよりもあがっていた。
- 筋肉量と体脂肪率の変化には、両グループの差はなかった。
といった結果だったらしい。具体的な筋力の変化を抜粋しますと、
- 伝統的な筋トレ:ベンチプレス+ 34%、レッグプレス+ 33%、レッグエクステンション+ 56%
- スーパースロートレーニング:ベンチプレス+ 11%、レッグプレス+ 7%、レッグエクステンション+ 24%
みたいな感じ。筋力に関しては伝統的な筋トレの圧勝って感じですね。
筋肉量や消費カロリーも伝統的な筋トレのほうが優秀かも
また、2012年にもニューイングランド大学が似たような実験(2)を行ってまして、こちらは伝統的な筋トレのほうがスーパースロートレーニングより筋力も筋肉量も増えたとの結果。細かな差はあれど、いずれも伝統的な筋トレのほうが有利って結論になっております。
ちなみに、消費カロリーに関しても伝統的な筋トレのほうが優秀で、2003年の実験(3)によれば、
- 伝統的な筋トレは15分で172calを消費
- スーパースロートレーニングは15分で116calを消費
- トレーニング翌日の代謝は、スーパースロートレーニングのほうが低かった
といった結果になっております。
まとめ
そんなわけで、いまのところスーパースロートレーニングのほうが優秀だと言えるデータはない感じ。ゆっくりやる筋トレは安全性が高いので初心者には向いているかもですが、基本的には好きな速度でやればいいかなーと思う次第です。