今度こそ腸内環境を治したいあなたに送る「腸内フローラ改善のための8ステップ」
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/05/8.html?m=0
腸内環境は超大事!って話を何度も書いてましたら、「どこから手を付けたらいいのやら…」といったご質問をいただくことが増えてきまして。確かに腸内環境は複雑なシステムなんで、マジメに改善に取り組もうと思ったら、なかなか大変なんですよねー。
というわけで、ここでは腸内環境を改善するときに「ここだけは押さえたい!」というポイントに優先順位をつけて並べていきます。対策に困ったら、上から順番にこなしていけばよいのではないかと。
Step1. 抗生物質、抗菌グッズ、サプリの撤廃
何はともあれ抗生物質の乱用を避けるのが基本。もちろん感染症にかかった場合は仕方ないですが、いまの医療はムダに抗生物質を使いすぎなんで、あくまで必要なときだけに限りたいものです。抗生物質が腸内環境を壊す話は過去に書いてますので、くわしくは以下をどうぞ。
また、同様に抗菌系のハンドソープや石けんなんかもNG。効果が少ないわりに有益な菌まで殺して、細菌たちの生態系にダメージを与えちゃいますんで。その辺については、以下のエントリをどうぞ。
さらに、お腹の調子が悪いときは、マルチビタミンのようなサプリもひかえたほうが無難。過剰なビタミンは腸内細菌の働きを乱す可能性があるので(1)、サプリの使用はプロバイオティクスぐらいにとどめておいたほうが良いかと思います。
Step2. カロリーの質が高い炭水化物を食べる
なにせ現代の食事は食物繊維の量が少なく、狩猟採集民の摂取量とは雲泥の差。人類史上、ここまで食物繊維が少なかった時代はなく、腸内細菌たちもエサ不足で困っております。その対策としては、もちろんガチなパレオダイエットを実践するに越したことはないんですが、とりあえずは「カロリーの質が高い炭水化物」に気を配っていただければ十分かと思います。なかでも「パレオダイエット的に優秀な9つの炭水化物」は、食物繊維のほかにもポリフェノールが腸内を整えてくれますんで、ぜひ取り入れてくださいませ。
ここで大事なポイントは、
- 最低1か月はカロリーの質が高い炭水化物を毎日食べ続ける:腸内細菌が新しい食事に適応するまでは時間がかかりますんで、とにかく一定期間は良質な炭水化物を食べ続けるのが大事。途中でジャンクフードをはさむと、それまでの努力が水の泡になったりしますんで、ご注意ください。
- 高脂肪&精製糖は避ける:ジャンクフードが腸に良くないのはもちろん、腸内環境の改善中は高脂肪な食品(バターとかクリームとかオイル全般とか)や、精製糖(砂糖とか清涼飲料水とかフルーツジュースとか)は避けてくださいませ。どっちも腸内細菌がパニックを起こしますんで。
の2点。とにかく、腸内環境が復旧するまでは加工食品や高脂肪食は避けたほうがよいかと。
Step3. 室内の換気と観葉植物の設置
当然ながら、人間が住む住居にも細菌たちは独自のコロニーを作ってまして、腸内フローラにも大きな影響を与えております。特に現代では、建物内に漂うカビ毒などで気分が悪くなる症状が多発してまして(2)、「シックハウス症候群」なんて名前もついてたりとか(3)。困ったもんです。腸内細菌のエキスパートであるグラハム・ロック博士いわく、
人類は自然環境のなかで暮らし、動物たちと触れ合いながら進化してきた。近年まで、人類の住居は木材や土、藁、動物の糞などで作られていた。それに比べて、現代の住居はプラスチックやコンクリートなどでできており、換気もよくない。そのため、人間にとって有益なバクテリアがコロニーを作れないのだ。
のこと(4)。現代の居住環境があたえる影響はかなり大きそうであります。
というわけで、ロック博士がおすすめする対策は、
- エアコンの使用をひかえて換気をしまくる
- 観葉植物を置く
換気の重要性は言わずもがなですが、多くの観葉植物には有害物質を除去する働きがありまして、室内の有益な微生物を増やしてくれるんだそうな。
Step4. できるだけ自然のなかで時間を過ごす
自然の効用については何度も書いてますが、当然ながら腸内フローラの改善にも重要な役割を果たしております。前述のグラハム・ロック博士いわく、第一に、自然の大気には、かなりの量の微生物がふくまれており、空気中で代謝と増殖を行っている。花粉のような微粒子が、微生物を運んでいるからだ。
(中略)
大気中の微生物は、わたしたちの肌にくっつき、呼吸器から体内に入って腸へ向かい、免疫システムの働きを正常にする。
とのこと(4)。できるだけ自然の大気を吸い込むだけでも、実は腸内環境は格段に良くなるんですね。
具体的な対策としては、
- 公園でスポーツ
- ガーデニング
- 屋外でキャンプ
- 木々の多い公園でランチ
などなど。とにかく自然との接触率を増やしていくといいでしょう。
Step5. そこそこの運動をする
アスリートは腸内フローラの質が高いってデータは昔からあったんですけども(5)、実際に運動で腸内環境が良くなることがわかったのは最近の話だったりします(6)。なんでも、そこそこの量の運動をするだけで、善玉菌の量が4倍も増えるんだそうな。ただし、これはまだ研究が初期段階なんで、具体的に「どれだけ運動すればいいの?」ってラインはまだ不明であります。マドリッド大学の実験なんかを見てると、おそらくはウォーキングぐらいの軽い運動を週に150〜300分ぐらいやればいいっぽいんだけど、くわしくは今後の研究に期待ということで。
また、運動をしすぎると逆に腸がダメージを受けちゃうので要注意。長時間のランニングがリーキーガットを引き起こすのは間違いなさそうなんで、あくまで健康に最適な運動レベルを保つのが大事かと思われます。
Step6. ストレス対策も超大事
なにせ腸と脳はつながってますんで、過度なストレスは腸内フローラを壊滅状態に追い込んじゃう。これは大量の動物実験で確かめられてきた話(7,8)なんですが、近年はヒトを対象にしたデータも出てきまして(9)、ストレスが腸内環境にダメージをあたえるのは間違いなさそう。どうやら、ストレスのせいで腸のバリア機能が壊れて、細胞が炎症を起こすらしいんですな。
というわけで、ストレス対策は腸内環境の改善にも必須。科学的なストレス対策については、以下をご覧ください。
Step7. プロバイオティクスを飲む
プロバイオティクスは腸内細菌サプリのこと。その効能には昔から賛否がありまして、「胃で細菌が死ぬから意味がないんじゃない?」って意見も優勢だったんですよね。が、近ごろ出た信頼できる論文では、ようやく「お腹の調子がよくない人にはプロバイオティクスは有効!」(健康だといみないけど)って結論が出たんで、腸内環境を整えたい方は試して損はなさそう。上記のステップをすべてこなしたのを確認したうえで、ぜひクオリティの高いサプリをお試しください。
Step8. 発酵食品を食べる
発酵食品を食べればお腹の調子が良くなるのは当たり前のように思えますが、本当に納豆やキムチで腸内フローラが改善するのかどうかは、実はハッキリとわかってなかったりします。意外にも、まだちゃんとした実験が行われてないんですよね。ただし、過去には「ぬか漬けや納豆でメンタルが強くなった」とか「発酵食品にはコミュ障を治す力があるかも?」なんてデータもありまして、情況証拠としてはかなり有効な感じではあります。よしんば腸内フローラへの影響がなかったとしても、発酵食品が体にいいのは間違いないんで、これまた積極的に食べていきたいところです。