薬用石けんでバクテリアを殺すには、9時間も手を洗わなければいけないという衝撃の事実
殺菌成分が入った石けんやハンドソープは体に良くないよ!って話を何度か書いてますが、新たにイリノイ大学が行った実験(1)では、「そもそも薬用石けんは普通の石けんより殺菌効果が高いわけじゃない!」って結論が出てて面白いです。
この実験が行われのは、2013年にアメリカ食品医薬品局が「薬用石けんの効果って怪しくない?」と提案したのが始まり。以前から、抗菌系の商品は病気の予防には意味がないと言われてたんですね。
そこで研究者は、日常生活でよく見られる20種類のバクテリアを用意。これを0.3%の殺菌剤(トリクロサン)をふくむ石けんに漬けて、どれだけの効果が出るかを確かめたんですね。実験は2回行われまして、室温(22℃)とお湯(40℃)を使って、できるだけ現実的な条件に近づけたみたい。
その結果は、
普通の石けんとくらべて、バクテリアの活動には何の差も出なかった。液体の温度を変えても、石けんを使う時間を10〜30秒まで変えても、やはり差は出なかった。
とのこと。うーん、ここまで違いがないとは思わなんだ。ちなみに、薬用石けんでバクテリアが減ったのは9時間後のことだったとか。夜明けから日没まで手を洗い続けないと、薬用石けんは役に立たないわけですな。
さらに今回の実験ではヒトを使ったテストも行われまして、16人の参加者の手にバイ菌をつけたあと、薬用石けんと普通の石けんを使ってもらったんだそうな。その結果は変わらず、やっぱり両者の効果に差はなし。研究者は、
今回の実験により、薬用石けんで手を洗っても、普通の石けんよりバイ菌が落ちるわけではないことが明らかになった。薬用石けんに対する消費者の考え方や広告のあり方を見直すべきだろう。
と言い切っております。もちろん、トリクロサンに抗菌効果があるのは間違いないんですが、
- 普通の手洗いの時間では効果が出ない
- 界面活性剤が抗菌効果をジャマする
って理由で意味がなくなっちゃうみたい。なるほどねぇ。
そんなわけで、もともと抗菌グッズは体によくないと言われてきたのに、さらには抗菌効果すら期待できなかったという悲しい話でした。わたしは今後もシャボン玉石けんで十分であります。