「努力は必ず報われる!」とか言いますが、実際は「環境を受け入れるほうが大事」との研究データが
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「努力は必ず報われる!」なんてフレーズがありますが、近ごろ出た心理学の論文(1)では「環境を受け入れるほうが大事じゃね?」って結論になってておもしろいです。
これはジョンズ・ホプキンス大学の研究で、500人の参加者にアンケートを行って以下の2つの要素を調べたんですね。
- 人生に対してどれだけ幸福感を持っているか?
- 普段は「一次的コントロール」と「二次的コントロール」のどちらを使うことが多いか?
「一次的コントロール」と「二次的コントロール」は社会心理学の用語でして、
- 一次的コントロール:困ったことがあったら環境を変えようとするタイプ。欧米人に多い。
- 二次的コントロール:困ったことがあったら自分の認識を変えて環境に適応しようとするタイプ。アジア人に多い。
といった感じ。たとえば、「痩せたい!」と思ったときにカロリー制限や運動にはげむのが一次的コントロールで、「少し体脂肪が増えたところで大したことはない」と考えなおすのが二次的コントロールであります。欧米では一次的コントロールが主流で、いまままでの心理実験でも「ニ次的コントロールは添え物でしょ?」って意見が多かったんですね。
ところが今回の実験では、
- 一次的コントロールも二次的コントロールも、どちらも幸福感を増すために役に立つ
- ただし、一次的コントロールは不幸感をアップさせることが多い
- 二次的コントロールにはマイナス面がない
って結論だったらしい。どちらの戦略でも幸福感はアップするんだけど、一次的コントロールにはマイナス面も大きいので、そのぶん二次的コントロールのほうが有利だとも言えるわけですね。
研究者いわく、
フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」が良い例だ。この歌では、ある男が自分の人生を振り返り、「いつも良いことばかりではなかったけれど、それでも総じて満足できる人生だった」と述懐する。これこそが、良質で満足な人生を送るためのコツだ。決して人生のマイナス面から目をそむけるのではなく、ネガティブな体験を再評価していくのだ。
人生の幸福感を得るために、一次的コントロールだけを強調するのはよくない。周囲の環境に適応していくのも重要な戦略だ。仕事でも人生でも、自分でコントロールできない状況は多い。しかし、自分の反応ならコントロールできる。
とのこと。つまり、二次的コントロールは決して後ろ向きな行為などではなく、ネガティブな体験をより広い視点から見直す積極的な手段なんだ、と。
さらに、
部下の行動にイライラする上司や、嫌な同僚のせいでストレスをためこむサラリーマンは、どちらも他人の行動を変えようと願っているわけだ。
しかし、二次的コントロールには問題を広い視点から見直す効果がある。他人の立場を受け入れられれば、衝突の解決にも結びつくかもしれない。少なくとも、部下や同僚に対してもっと生産的な態度を取れるようになるだろう。
とのこと。確かに、これは認知行動療法の症例でもよく聞く話であります。たとえば、異常に怒る上司のせいでうつ状態になってた看護士さんが、「これはモラハラだから自分が悪いわけじゃない」と認知を変えたところ、相手に対して毅然とした態度を取れるようになり、結果として怒鳴られるケースが減ったりとか。
もちろん、これは一次的コントロールが悪いって話ではありません。あくまで一次的コントロールのデメリットを理解したうえで、どうにもならない状況では二次的コントロールを使ったほうがいいよーって話なのでご注意を。また、この問題については、過去に明石家さんまさんが明快に語っておられますので、あわせてご参照ください(2)。
努力は報われると思う人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い。好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね
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