科学的に正しい「自慢」の技術4選
基本的に「自慢」が多い人は嫌われがちですが、ときには自己アピールも必要なもの。面接や婚活で謙遜してたら即死であります。
できれば相手に悪く思われずに自慢をしたいわけですが、そこで面白いのが2014年の論文(1)。「GIVE & TAKE」で有名なアダム・グラント博士の研究で、科学的に正しい「自慢」の方法を調べたんですね。過去に行われた「自慢研究」のリファレンスもついていて、いろいろと勉強になりました。
では、具体的にどう自慢すればよいかというと…
1 自慢話は相手が集中していないときにせよ!
グラント博士の実験は、相手の状態によって「自慢の効果」が変わるかを確かめたもの。具体的には、参加者たちに以下の2パターンの面接に参加してもらったんですね。
- 面接官が集中して参加者の自己アピールを聞く
- 面接官が他の作業をしながら自己アピールを聞く
その結果は、
- 集中して自己アピールを聞いた面接官は、参加者の話を「誇張が多くて信じられない」と感じた
- 他の作業をしながら自己アピールを聞いた面接官は、参加者を礼儀正しくて尊敬できると感じた
というものだったらしい。なんでも、集中せずに相手の話を聞くと「自慢」にまつわる誇張や嫌なイメージを忘れやすくなり、結果として良い情報だけが頭に残るんだそうな。どうしても自慢したいときは、相手の気がそれやすい環境(騒音がうるさいとか)で行うのがいいみたい。
2 自慢話は自分から切り出すべからず!
2010年の実験(2)では、研究者が以下の2パターンで参加者に自慢話をしまして。
- 自分から「テストで良い点を取った!」と切り出す
- 第三者に「彼はテストで良い点を取ったんですよ」と言ってもらう
結果は予想どおりグループ2の圧勝。 自分から自慢を始めた人の評価は最悪だったのに、第三者を使った自慢は逆に良い印象をあたえたんだそうな。つまり、自らの業績を誇ってもいいのは、誰かが「この人は凄いんですよー」と切り出してくれた場合に限るわけですね。
3 他人ではなく過去の自分と比べて自慢せよ!
2012年の実験(3)によれば、最悪の自慢は「他人と比べて自分を持ち上げる」パターンとのこと。他人をおとしめて自分を持ち上げれば、そりゃあ嫌われて当然であります。
その代わりに同論文がおすすめしているのが「自己改善系」の自慢。「俺も昔よりはマシになったなぁ」と過去の自分と現在を比べたほうが、参加者たちの評価は格段に良くなったとのこと。自己主張が必要な場では、とにかく他人の業績や評価は持ち出さず、あくまで自分の業績にしぼってアピールするのが得策っぽいですねー。
4 誰かに自分をほめてもらうように頼め!
2009年にオランダで行われた実験(4)では、参加者たちに出会い系のプロフィールをいくつか読んでもらったんですね。その際に、
- 自分の良い所を自分で書いた自薦文
- 友人や同僚に書いてもらった他薦文
の2パターンを用意したところ、自薦文が書かれたプロフィールのほうがコミュニケーション力が低く、知性も劣っているような印象が強くなったんだそうな。確かに、自己申告によるアピールを信じる人は少ないでしょうし、身内でほめ合って業績を伸ばす業界も多いですからねー。
というわけで、どうしても自分をアピールしたいときは、誰かに自分をほめてもらうように頼むのが吉。まぁ、それがバレたときの恥ずかしさったら無いですけど。