「模試」「フラッシュカード」「1回30分」など、科学が認めた9つの勉強法
身近な科学を動画でわかりやすく教えてくれる「AsapSCIENCE」が、「科学が認めた9つのベストな勉強法」って動画(1)を出してたのでメモ。その内容をざっくりまとめると、
1 勉強は1回のセッションで30分まで
勉強は1回のセッションを20〜30分に区切り、細かくスパートをかけていくのが最も効果的。ヒトの脳は小さな情報を少しずつ処理していくようにできており、1回のセッションで大量の情報をまとめるのは苦手とのこと。
2 徹夜は何が何でも避ける
徹夜の勉強にはデメリットしかない。多くのデータによれば、徹夜は成績を落とし、論理的に考える力を減らし、記憶力も低下させる。たった1日の徹夜でも、その後4日間は脳へのダメージが続くんだそうな。どうしても徹夜が必要な場合は、「徹夜仕事を乗り切るためのガイドライン」をどうぞ。
3 参考書に線は引かない
参考書の大事な箇所にマーキングをし、後でまた読みなおすのは勉強の基本。……と思われがちですが、実は脳に情報を吸収させるには不向き。情報を定着させるには、参考書のマーキングよりもフラッシュカードのほうが優秀とのこと。脳が余分な情報に惑わされず、効率よくポイントを吸収できるかららしい。確かに、わたしも英語の勉強をしてたときは、「i暗記+」(iPhoneのフラッシュカードアプリ)を使うのが最も効果的だったように思います。ちなみに、過去に当ブログでも似た話を紹介してますんでご参照ください。
4 セッションごとに明確なゴールを決める
当然ながら、教わったことをすべて頭に叩き込むのは地獄。その代わりに、「ひとつの方程式の使い方を覚える!」とか「ローマの成り立ちだけを覚える!」とか、1セッションごとの明確なテーマを決めたほうが脳は喜ぶ。細かなゴールを作ってちくちくと消していくと、達成感があがってさらに脳も大喜び。
5 学んだことを人に教える
生徒より教師のほうがメリットは大きいなどとよく申します。実際ヒトの脳は、教える側に立ったときのほうが、情報をより論理的にフォーマットする傾向があるんだそうな。いっぽうで学ぶ側は、情報の吸収と処理を同時に行わねばならず、どうしてもフォーマット化が遅れてしまうらしい。
6 何度もテストをする
2013年のデータ(2)によれば、結局は「模試」こそが最強の勉強法とのこと。テストの環境に慣れやすくなるのはもちろん、知識と実践のギャップを理解しやすくなるとこが重要。とにかくヒトの脳は能動的に使わないとエンジンがかからないんで、ちゃんと時間を決めて模試を行うほどギア比が上がる。
7 勉強用の聖域を作る
聖域というと大げさですけども、とにかく誰にもジャマされない環境を作る。当然、部屋には勉強に必要なものだけを置き、気をそらすものはすべて排除。集中力の維持に役立つだけでなく、脳に対して「聖域にいるときは勉強モードに入る!」といった刷り込みが行われるのがポイント。決まった時間に勉強すると脳が働きやすいのも同じ理屈であります。
8 音楽は切る
過去に「BGMはあなたの作業に悪影響しかもたらさない」なんて話も書いたとおり、多くの実験では音楽を流さずに勉強をしたほうが情報の吸収率は良くなった。ただし、いっぽうでは「クラシック音楽で学習効率が上がった!」ってデータ(3)もあるんで、やや判断が難しいところではあります。とりあえず、BPMが速めな曲は避けたほうが無難かも。
9 スマホも切る
当ブログでも「メールチェックは集中力を破壊する」といった話を紹介してきましたけど、とにかくあらゆる実験でスマホは勉強の敵であることがわかっております。このときスマホの電源を切るだけではダメで、スマホそのものを視界の外に置くのが大事。なんせ「スマホが目の前に置いてあるだけでも集中力は途切れる」ってデータも出ておりますので。
まとめ
そんなわけで、「AsapSCIENCE」による「科学が認めた9つのベストな勉強法」でした。いずれもまことにごもっともですが、なかでも「模試」「フラッシュカード」「人に教える」の3つが効くように思います。あと個人的には、「ライトナーシステム」とかも科学的に実証されてて良いのではないかと。お試しあれー。