元気ホルモン「テストステロン」を増やすために炭水化物が必要な3つの理由
以前に「テストステロンを増やすには炭水化物が必須!」って話を書いたところ、「くわしく!」とのリクエストをいただきましたんで、もう少し細かい説明をまとめときますね。ちなみにテストステロンってなに?という方は、「わたしのテストステロン値が最低だったときに起きた7つのヤバい症状」をご参照ください。
元気ホルモンを出すには炭水化物が必要な理由
さて、炭水化物を食べないとテストステロンが下がっちゃう理由としては…
1.なんせストレスホルモンが上がっちゃう
1987年の実験(1)では、参加者を以下の2グループに分類しまして、
- 高炭水化物&低タンパク食
- 低炭水化物&高タンパク食
脂肪と総カロリー量はそろえたんですね。そのうえで10日の経過をみたら、高炭水化物グループのほうがテストステロンが36%も高く、ストレスホルモン(コルチゾール)が低かったそうな。糖質制限が体にストレスを与えるって話は何度か書いてるとおりでして、そのせいでテストステロンが下がっちゃうんですね。
また、糖質制限に運動を組み合わせると、さらにコルチゾールが高止まりする可能性がありまして、さらにテストステロンに悪影響をおよぼす可能性が大。ご注意くださいませ。
2.なんせGnRHの量が減っちゃう
GnRHは「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」の略でして、脳の視床下部から分泌される物質。テストステロン合成のカギを握るホルモンで、こいつが分泌されないことには何も始まらないんですよ。
で、2011年のレビュー論文(2)によれば、脳がGnRHを出すか判断するための材料が血中のグルコース量であります。つまり、
- 炭水化物を食べる
- 血中のグルコースが増える
- GnRHが出る
- テストステロンの合成スタート!
って流れですね。そんなわけで、糖質を摂らないと、テストステロンが合成がなかなか始まらなくなっちゃうんですな。
3.なんせSHBGの量が増えちゃう
SHBGは「性ホルモン結合グロブリン」の略。テストステロンの効果を減らすタンパク質で、最近ではSHBGが増えれば増えるほどメタボや骨折が増えると考えられております。それぐらいテストステロンのパワーを下げる作用が強いんですね。
炭水化物とSHBGの関係は昔から有名で、上であげた1987年の実験(1)でも、低炭水化物グループはSHBGの量が増えてたとのこと。1993年の実験(3)でも似たような結果が出てまして、どうも低糖質がSHBGを増やすのは間違いなさげ。
それもそのはずで、SHBGは体内のインスリンに反応して生産量が減る性質があるんですね。つまり、
- 炭水化物を食べる
- インスリンが増える
- 肝臓がSHBGを作らなくなる
- テストステロンが元気に!
みたいな流れです。ちなみに、この性質を逆手に取って、「糖質制限は育毛に効く!」(遊離テストステロンが減るから)という主張をする方もいらっしゃいますが、どこまで正しいのかは不明。物は言いようだなーとも思いますが。
まとめ
そんなわけで、いろんな意味で炭水化物はテストステロンに必要なんだよー、というお話でした。基本的には、カロリーの質が高い炭水化物を総カロリーの20〜40%ぐらい食べておけば問題ないかと思います。この量を下回るとテストステロンが減って、元気がなくなっちゃう可能性が大。
というと、「いや、俺は糖質制限で逆に元気になった!」という人も多いんですけど、個人的にはアドレナリンのせいじゃないかと疑っております。まぁあくまで仮説ですが、心当たりのある方はお気をつけください。