人生の幸福に大事なのは、金よりも時間に対する価値観
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生活が苦しいから金銭に執着する?
「人生の幸福に大事なのは金より時間!」ってデータは昔からありまして、金より時間に価値を置く人のほうが幸福度が高いって結果が出ております。が、この手の研究が難しいのは、「お金に価値を置く人は、生活が苦しいから金銭に執着するんじゃないの?」って疑問がつきまとうところであります。つまり、お金に執着すると不幸になるんじゃなくて、不幸な人ほど金に執着するだけなんじゃないのか、と。
金があろうがなかろうが、金よりも時間を大事にする人のほうが幸せ
といったところで、そのへんの問題を解決してくれる論文(1)が近ごろ出まして。これはカリフォルニア大学の研究で、4,415人の男女に、金と幸福に関する質問をしまくったんだそうな。具体的には、
- 金と時間のどちらを重要視しているか?
- 現在の幸福度と人生の満足感
- 現在の年収と労働時間
みたいな感じ。その結果わかったのは、
- 64%の人は「時間より金が大事!」と答えた
- しかし、実際は、金より時間を大事にする人のほうが幸福だった
- どんなに金を持っていても、時間を大事にする人のほうが幸福だった
- 金も時間もない人の場合でも、時間を大事にする人のほうが幸福だった
というわけで、金があろうがなかろうが、時間に余裕があろうがなかろうが、とにかく金よりも時間を大事にする人のほうが幸せだったそうな。時間最強。
もちろん、これは「金がなくても時間を大事にすれば幸せ!」ってことじゃないのでご注意ください。当然ながら適度なお金はあったほうがいいので、あくまで、どっちに力点を置くのがいいのかって話です。
時間を大事にすると思考が前向きになる
こういった現象が起きる理由としては、金と時間の性質の違いが原因だと考えられております。どういうことかというと、- お金の額には上限がない → 持てば持つほど欲しくなる → いくら稼いでも足りない気分になる → 不幸!
- 時間はすべての人に平等な量しかない → 時間があると「限られたリソースをどう有意義に使うか?」を考え出す → 考えが前向きになる → 幸福!
って感じです。本質的なリソースとしての差が、心理的な幸福感の違いをもたらすわけですな。
ちなみに、研究者によれば、定期的に「時間の大事さ」について考えれば、少しずつ個人の価値観は変わっていくとのこと。そういえば、以前に「自分の死について考えると幸福度があがる」ってデータがありましたが、これも似たようなメカニズムが働いてるんでしょうな。