科学的に正しい「休日の過ごし方」
意外と休日はヒトを幸せにしない
誰でも休日はうれしいもんですが、ちゃんと過ごすのは意外と難しかったりします。休日の前はやりたいことがいろいろ浮かんでるのに、いざとなったら何もする気がなくなったりとか。
しかも、2009年のメタ分析(1)を見てたら、「休日があっても人間はそこまで幸せにはなれない」って結論になってて、なかなか切ないものがありました。
休日の効果は2週間で消える
この研究は7つのデータをまとめたもので、いまのところ「休日で人間は幸せになれるの?」って問題については、最も精度が高い結論を出しております。ざっくりまとめると、
- 休日には旅行とかしたほうが確実に幸福度と健康レベルはあがるけど、その効果は意外とパッとしない(d=+0.43)
- しかも、その効果は仕事にもどってから2〜3週間で消えちゃう( d=-0.38))
みたいな感じ。家でダラダラするよりは何かしたほうがいいのは間違いないものの、幸福感はすぐにベースラインにもどるんだ、と。かなり納得できる話っすね。
休日の効果を延ばすには?
もっとも、「休日の幸福感を延ばす方法」については、その後も研究が進んでたりします。たとえば2010年にオランダで行われた研究(2)では、974人の男女を32週間にわたって追いかけたところ、こんな傾向が出たんですよ。
- どれだけ旅行が楽しかろうが、その幸福が続く人はいなかった(これは従来の研究と同じ)
- ただし、休日の前に徹底的に計画を練った人は、8週間ほど追加で幸福感が持続した
「休みになったら映画とか温泉に行こうかなー」ではなくて、「休みには新宿の東宝で9時からアニメを見る。その後11時の電車で箱根に移動して…」ぐらい細かく計画を立てておいたほうが、幸せにはなりやすいんだそうな。よく「旅行は行く前が一番楽しい」とか言いますが、この感覚を徹底させるわけですな。
コントロール感と新たなチャレンジがポイント
でもって、もうひとつ大事なポイントが「コントロール感」です。2016年にアイダホ大学が約800人の休日を調査(3)したところ、以下の人ほど幸福感が高くかったんだそうな。
- 休暇中に「俺は自分で自分の計画をコントロールできている!」って感覚が強い人
- 休日に新しいことを学んだり、新しいチャレンジをした人
要するに、ちゃんと自分でスケジュールを立てて、新鮮なアクティビティに積極的に取り組んだ人は、休日で幸せになれるわけっすね。そう考えると、ツアーとかは楽だけど幸福感は上がらなそうな気が。
まとめ
そんなわけでポイントをまとめると、
- 休日の幸福効果は長く続かない
- が、徹底的な計画を立てて「コントロール感」を上げれば、休日の効果は長く続く
- できれば、今までやったことがない行動に休日を割り当てるべし
って感じです。かくいう私も休日の計画は適当に立ててたんで、今後はコントロール感を意識したいと思う次第。