目標達成にはやっぱり「if-thenプランニング」が最強説
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/05/if-then.html?m=0
if-thenプランニングの具体的な効果とは?
当ブログでは、よく「if-then(イフゼン)プランニング」っていうゴール達成テクニックを推奨しております。ざっくり方法をおさらいすると、もしXが起きたら、Yをやる
って形で事前にタスクを行うタイミングを決めておくこと。具体的には、
6時になったら掃除をする
月曜になったら、会社の帰りにジムに行く
ってのが基本形です。達成したいゴールに対して、必ずトリガーになる条件を付けるわけですね。
これはトラブル対策にも使えまして、
12時までに原稿が終わっていない場合は、ほかの作業を止めて最優先事項にする
難しいクレームが入ったら、いったん深呼吸をする
作業中に頼み事をされたら、5分だけ手伝ってあげる
みたいな展開もできたりします。かなり応用範囲が広いテクニックなんですよね。
たったこれだけでも効果は絶大で、研究データもかなり多めなのが嬉しいところ。とくにここ数年で系統的レビュー(科学的な信頼性が高い研究法)がそろってきましたんで、「if-thenプランニングって具体的にどれぐらいの効果があるの?」ってあたりをまとめておこうかと。
if-thenプランニングと一般的なゴールの達成率
では、まず「if-thenプランニング」の全体的な効果から。ニューヨーク大学のピーター・ゴルウィツァー博士がまとめたメタ分析(1)を見てみましょう。これは94件の過去データをまとめたもので、「if-thenプランニングで一般的なゴールの達成率はどこまで上がるの?」ってあたりを確かめたんですね。具体的には、仕事の効率がよくなったりとか、貯金がうまくなったりとか、日常でありがちなゴールを対象にしております。
その結果だけざっくり言えば、
- if-thenプランニングを使うと目標を達成しやすくなる。その効果量は0.65
って感じ。「効果量が0.65」ってのはかなり良い数字で、参考としてはポジティブ心理学のテクニックが0.34ポイントぐらいだし、マインドフルネス瞑想のストレス解消効果も0.36ぐらい。
もちろん、ジャンルが違うんで単純に比較はできないんですけど、個人的には効果量が0.5を超えたものは「とりあえず試す!」のカテゴリに入れております(笑)。つまり、if-thenプランニングの優先順位はかなり高め。
if-thenプランニングと健康
もうひとつが、「if-thenプランニングで健康になれるのか?」について調べた2011年のメタ分析(2)。if-thenプランニングで野菜の量が増えたり、お菓子が止められるかってことですね。こちらは23件の過去データをまとめた論文で、どんな結果だったというと、
- if-thenプランニングを使うと良い健康習慣が増える。効果量は0.51
- ただし、悪い習慣を減らす効果は低い。効果量は0.29
だったそうな。いかにif-thenプランニングでも、禁煙やお菓子を減らす方向では使いづらいみたいですねー。うーん、残念。
が、いっぽうで運動や野菜の量を増やす効果は高く、試すだけの価値は十分にあり。
19時になったら800gの野菜を食べる
月曜日には野菜をまとめ買いしておく
といった感じで行動を規定しとくとよいかと思います。
if-thenプランニングとメンタルヘルス
最後に「if-thenプランニングでメンタルは改善するのか?」って話を。大うつ病や不安症といった症状の改善にも効くのか?って話ですね。この問題については2016年のメタ分析(3)がありまして、1,636人分のデータをまとめてくれております。その結果は、
- if-thenプランニングを使うと激しくメンタルは改善する。効果量は0.99
だったそうな。まさに驚きの効果量になってまして、これは試さない手はないでしょう。
13時になったら薬を飲む
ってのはもちろんアリですが、他にも、
不安がわいたら自動思考を書き出す
みたいに認知行動療法って感じで使うのもいいですね。あとは、
出社したら1番最初に会った人に話しかける
とかエクスポージャーの準備のために利用するのもよさげ。このあたりは、自分が好きなテクニックと組み合わせてみればいいんじゃないでしょうか。