今週の小ネタ:睡眠パターンと病気、男女の別れから立ち直る時間、運動をする気が起きない!の原因
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
睡眠パターンが不規則だと死にやすくなるぞ!
これはデューク大学の研究(1)で、「睡眠パターンと死亡率」の関係を調べてくれております。ざっくり言うと、「いつも同じ時間に寝て起きてる人ほど病気にかかりにくいんじゃない?」ってところをチェックしてみたんですな。
具体的には、54〜93歳の男女およそ2000人が対象で、全員に睡眠トラッカーを着けてもらいつつ7日間ほど入眠と起床パターンを記録したらしい。その後、みんなの血糖値、血圧、HbA1cなどを調べて、どれぐらい糖尿病や高血圧のリスクが高まったかを計測したんですな。
でもってどんな傾向が確認されたかと言いますと、
- 睡眠パターンが不規則な人ほど……
- BMIの数値が高い
- 血糖値もHbA1cも高い
- 血圧が高い
- うつ病なりやすい
- ストレスも高い
ってことで、なかなか散々な結果になってますね。研究者いわく、
もちろんこの研究では、不規則な睡眠が健康を悪化させるのか、はたまた健康が悪化すると睡眠が不規則になるのかはわからない。しかし、おそらく両方が影響しあっているのだろう。
実際、肥満になると睡眠の質が下がるという証拠はあるし、別の研究では睡眠不足が肥満を引き起こすとの証拠も得られている。
睡眠が不規則になると体を崩し、そのせいでさらに睡眠の質が下がる負のスパイラルになってくわけっすな。これは気をつけたいところです。
男女の「別れ」から立ち直るにはどれぐらいかかる?
これはベルン大学の研究(2)で、約9000人の男女を対象にしたもの。全員の私生活を3年にわたって追いかけつつ、
- 男女の関係性が壊れた場合、立ち直るまでにどれぐらいかかるのか?
- 具体的に、男女が別れた場合、精神のどこがダメージを受けるのか?
ってところを調べた内容になっております。意外とありそうでなかったタイプの研究っすね。
その結果がどうだったかと言いますと、
- 男女の関係が崩壊した場合、その精神的なダメージから完全に立ち直るまでは平均で1年かかる
- 「精神的ダメージ」の内容は、おもに「自尊心の崩壊」である
だったそうな。とにかく失恋は自尊心を低下させて、そのリカバリーには相当な時間がかかるんだ、と。1年ってのは確かに長いっすな。
ただし、ここでは「失恋のメリット」にも触れられてまして、
失恋した人の多くは、傷心の後にポジティブな変化を報告している。たとえば精神が強くなったり、考え方が成熟したりといったことだ。そして、失恋から得た教訓を、未来の対人関係に活かせたと答えた人も多い。
ってことで、失恋は人間に大きな教訓をあたえてくれるわけですな。まぁそうでも考えないとやってらんないかもですけど(笑)
「運動をする気が起きない!」の原因は脳にあり!
最後はブリティッシュコロンビア大学の研究(3)で、運動好きな男女29人の脳活動をEEGで計測したもの。どういった実験だったかと言いますと、
- PC画面に被験者のアバターを表示させる
- 全員に「活発に運動をしている画像」と「ソファでダラダラしてる画像」の両方を見せる
- アバターを、2つの画像に移動させる
- 脳がどう変化するかを見る
って感じ。変わった実験ですけど、これにより「運動のイメージ」に対して脳がどう反応してるかを調べられるわけですな。
で、なにがわかったかと言いますと、
- みんなの脳が「運動の画像」に対して否定的な反応を示した
だったんですな。運動が好きな被験者だけを集めたにもかかわらず、実際には脳は体を動かす作業に抵抗を抱いてたんだそうな。つまり、ヒトは本質的には運動なんてしたくない生き物ではないのか、と。
研究者いわく、
ヒトの脳は自動的に「ダラダラした行動」にひきつけられる性向をもっている。これは進化のプロセスで生まれた反応だろう。
とのこと。もともと人類は貴重な活動エネルギーを保存するように進化してきたんで、必然的に「ムダに体を動かしたくない!」と思うように脳が形作られてきたんだろうって話です。
しかし、そうはいっても運動をしないわけにもいかないんで、最終的には脳をダマしてくしかないんだろうなーと思う次第です。私の場合は、完全に筋トレがオートマ化したんで、もはや抵抗感はなくなりましたけども。