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アンチエイジングの大敵「細胞老化」を食い止める……かもしれない食品が見つかった件

Apples

 

ここんとこアンチエイジング業界で熱いのが「細胞老化」の話です。ざっくり言えば、細胞がダメージを受けて行くことで、いったんこうなると、

 

  • 細胞分裂ができなくなる
  • 内臓のサポートもできなくなる
  • ついでにSASPという有害な物質を吐き出す

 

みたいな悪影響がてんこ盛り。とくに最後のSASP(細胞老化随伴分泌現象)が問題で、

 

  • 体内の炎症を増やす
  • 組織の修復ができなくなる
  • 免疫系にダメージを与える
  • がんの発症率が増える

 

といった現象と結びついてたりします。通常は老化した細胞は免疫システムが処理してくれるんでですが、年をとって体の防御システムが衰えてくると、どんどん溜まっていくことになるんですな。嫌ですねぇ。

 

ってことで、2010年ごろから「SASPってどうにかならんの?」ってとこを調べた研究が始まりまして、いまんとこマウス実験を中心にリサーチが進んでいる段階。ヒトの老化細胞をとり除ければ、さらに健康でいられるんじゃないかと思われるわけです。

 

 

で、近ごろミネソタ・メディカル・スクール大学が、具体的にSASPに立ち向かう方法(1)を調べてくれてていい感じでした。

 

 

どんな実験かと申しますと、

 

  1. 野菜やフルーツにふくまれる有名なフラボノイドを10種類ほどチョイス
  2. すべてのフラボノイドをおじいさんマウスに投与する
  3. SASPがどうなったかをチェックする

 

って感じです。とりあえず、抗酸化&抗炎症作用をもつフラボノイドを使えば、細胞の老化も抑えられるんじゃないか、と考えたわけっすね。

 

 

さて、そこで得られた結論がどうだったかと言いますと、

 

  • フィセチンが最強!

 

だったそうです。これはリンゴなどにふくまれるフラボノイド で、2006年の実験(2)では「マウスの記憶力がアップしたよ!」って結果が出てて、なかなか見込みがある成分のひとつ。まだヒトを対象にした実験が少ないのが難点ですが、可能性にあふれてるんですな。

 

 

研究者いわく、

 

今回の結果は、私たちが人生の最終段階に入っても健康寿命をのばすことができる事実をあきらかにした。もちろん、ヒトに対する最適な用量はまだわからないが。

 

とのこと。もちろん研究としては初歩の初歩って感じではありますが、とりあえずフィセチンを増やしといて損はなさそう。具体的には、

 

  • リンゴ
  • イチゴ
  • タマネギ
  • キュウリ

 

などを積極的に増やしていくと良いかと思われます。個人的にはキュウリを増やしていこうかと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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