運動のパフォーマンスアップに役立ちそうなポリフェノールはどれだ?というレビュー論文の話
ポリフェノールが体にいいなんて話は皆さん耳タコでしょうが、近ごろよく言われるのが「運動のパフォーマンスも上げてくれるのでは?」みたいな話です。
その原因としては、ポリフェノールの抗酸化作用が身体のダメージをやわらげてくれるのがひとつ。さらにもうひとつ大きなのが、
- ポリフェノールのおかげで腸内細菌が元気になる!
と考えられてたりします。ポリフェノールが腸内細菌のエサになるって話は「最高の体調」にも書いたとおりでして、この働きにより、
- エネルギーの代謝へ直に作用する
- 栄養を取り込みやすくなる
- ミトコンドリアの生合成を刺激する
- 抗酸化システムがさらに活性化する
- 糖質と脂質のホメオスタシスにも効く
- DNAの修復に関与する転写因子にも作用する
みたいなメリットが得られるんじゃないかと考えられてるんですよ。運動のパフォーマンスだけでなく、アンチエイジングにも欠かせないポイントばっかりですな。
ということで、最近パドヴァ大学の先生方が「ポリフェノールと運動のパフォーマンス改善」ってポイントについて208の先行研究をだだーっとまとめて、「どのサプリにどれぐらいの意味があるのか?」ってのを大まとめに提示してくれておりました(R)。
それぞれの効果量やデータの精度を細かく見てるわけじゃないので、あくまで「これぐらいの効果があるかも?」ぐらいの解釈になりますが、とりあえず現時点で見込みがありそうなポリフェノールを押さえておくためには有用じゃないかと思う次第です。
では、細かい議論ははぶいて、チームがまとめた「パフォーマンスにアップに効きそうな」成分をだーっと並べてみましょう。
- クルクミン
- 実験で使われた摂取量:1日80~200mg
- 得られそうなメリット:筋肉疲労の改善、筋肉量が減ルノを抑える、筋肉痛を抑える、筋疲労の回復、酸化バランスの改善、インスリン感受性の改善
- レスベラトロール
- 実験で使われた摂取量:1日100~500mg
- 得られそうなメリット:筋肉のミトコンドリアを増やす、運動のパフォーマンス向上、肥満をやわらげる作用、脂肪酸の酸化を抑える、糖代謝の改善
- ココアフラバノール
- 実験で使われた摂取量:1日200~500mg
- 得られそうなメリット:脳の血の流れが増える、血管の機能が改善する、運動の酸化ストレスを減らす
- ケルセチン
- 実験で使われた摂取量:1日200~1,000mg
- 得られそうなメリット:肉体とメンタルのパフォーマンス向上、筋トレ中と後の神経筋パフォーマンスを改善、筋肉ダメージによる筋力低下を抑える、運動後の回復時間を短くする
- 緑茶エキス
- 実験で使われた摂取量:1日250~1,000mg
- 得られそうなメリット:筋肉の酸化ストレスを減らす、筋肉疲労による神経系の衰えを改善
- ブルーベリーエキス
- 実験で使われた摂取量:1日75~150mg
- 得られそうなメリット:運動後の回復スピードを上げる、血管の機能を改善、血管が拡がる能力を上げる
- ピクノジェノール
- 実験で使われた摂取量:1日100~800mg
- 得られそうなメリット:酸化ストレスから身を守る、トライアスロンのように体へのダメージが大きなスポーツのトレーニング効果とパフォーマンスが上がる
- チェリージュース
- 実験で使われた摂取量:1日30mL
- 得られそうなメリット:筋力系のスポーツで筋肉の回復スピードを上げる、運動後の痛みが減る
- エクロニアカヴァ
- 実験で使われた摂取量:1日40mg
- 実験で使われた摂取量:グルコースの酸化を促進する(エネルギーとして血使いやすくなる)、強度が高い運動で出る乳酸を抑制する
って基本的にはこのブログでもおなじみのメンツがそろってますね。この中だと「エクロニアカヴァ」が初耳だったんですが、なんでも藻にふくまれるポリフェノールだそうです。
個人的にどれがオススメってこともないんで、それぞれの成分名から飛べるリンク先のエントリを参照しつつ、自分に合いそうなものをお試しいただくといいんじゃないでしょうか。私はなんとなくクルクミンを常用してますが、すぐに目立った効能を感じられるものでもないので、ここらへんは判断がムズいとこですなぁ…。