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世界45カ国で30年に渡って確認されてきた「二大モテ要素」とは?みたいな調査の話

  

モテる人の特徴はこれだ!」みたいな話は過去にも紹介してますが、新しいデータ(R)はかなり大規模でいい感じだったんでまとめときましょう。

 

 

これはノルウェー科学技術大学が、45カ国から集めた14,399人の男女を調査したもの。残念ながら日本はふくまれてませんが、韓国や中国などのアジア圏はサンプルとして取り入れられております。

 

 

調査の内容はシンプルで、「あなたは恋愛の相手のどこに最も魅力を感じますか?」と尋ねまくって、文化が異なる国々でも似たような傾向が見られるのかどうかをチェックしてます。過去にも行われてきた類似研究のパワーアップバージョンみたいな感じですね。

 

 

で、そこで確認された傾向をリストにするとこんなふうになります。

 

  • 男女ともに「親しみやすさ」と「知性」はパートナーに求める要素のツートップだった
  • ほとんどの国では、女性は「相手の経済状況が重要だ」と答え、男性よりも「知性」と「健康状態」を求めるケースが多かった
  • 逆に男性は女性よりも「ルックスの良さ」を重視する傾向が強かった
  • あらゆる文化の女性がパートナーとして年上の男性を好むことが多く、男性は年下の女性を好むことが多かった

 

ということで、全体的に「はいはい。やっぱりねー」みたいな印象じゃないでしょうか。昔からよく言われてきたことが、あらためて確認された感じと言いますか。

 

 

が、それもそのはずで、この研究が行われたメインの目的は「30年以上前に行われた調査は今でも再現できるか?」を調べることだったからです。実は、デヴィッド・バスという進化心理学の超大御所が、1980年代に37か国を対象に同じ調査をしてまして、今回の研究はその追試なんですよ。

 

 

なにせ近年では心理学系の実験があとでくつがえっちゃうケースが多いので、果たして現在でも同じような結果を再現できるかを調べるのは超大事。なので、今回さらに大規模なサンプル数でも同じ結果が出たというのは、まことに喜ばしいことと申せましょう。

 

 

研究チームいわく、

 

進化心理学の古典的な研究では、パートナーの好みにおける性差があきらかにされてきた。今回の研究は、過去の知見が、時間と場所を超えても通じることを示している。この研究により、進化心理学的な説明の強度があきらかになった。

 

とのこと。ここでいう「進化心理学的な説明」ってのは、ざっくり言いますと、

 

  • 女性が安心感と年齢を重視する理由=女性は妊娠と出産という大事業に挑まねばならないため、男女関係においては男よりも失うものが多い。そのため、より安心感が強くて金持ちである可能性が高い年配の男を好むのだ!

 

  • 男がルックスと若さを重視する理由=男性は生殖のコストが低いので、可能な限り自分自身の遺伝子を残そうと考える。そのため、遺伝的に健康的な子供を産む可能性が高い若くて魅力的な女性を好むだ!

 

みたいな考え方です。もちろん、この議論が本当に正しいかどうかはまだ検討の余地がかなりあるんですが、世界のあらゆる国で似たような傾向が確認されてるってのは、少なくとも上記の好みがヒューマン・ユニバーサルな現象なんだろうなーってところは固そうな気がするわけっすね。

 

 

まぁこの考え方の正当性はさておき、とりあえず「ウン十年にわたって世界中で「親しみやすさ」と「知性」がモテ要素のトップツーに輝き続けている」ってのはまぎれもない事実ですんで、そこだけは押さえておくと良いかもしれません。どうぞよしなに。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。