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「赤身肉は体に炎症を起こす!」は本当か?


こないだ取り上げた「肉とチーズはタバコと同じぐらい体に悪い!」って論文に続いて、今度は「赤身肉が体に炎症を起こす!」って研究が。





体の炎症は万病のもとと言われてまして、特に臓器に起きた炎症は老化のスピードをあげまくるんですな。もし本当に赤身肉が炎症を起こすんなら、肉をたくさん食べがちな糖質制限ダイエッターやパレオダイエッターには一大事。さっそく元の論文を読んでみました。


論文が使ったのは、10万人の女性の健康状態を記録したデータベース。これを統計調査したところ、赤身肉を多く食べる女性ほど、炎症マーカーとヘモグロビンA1Cの数値が高いことがわかったんだそうな。要は、赤身肉を食べると不健康で糖尿病のリスクがデカくなる、と。


で、この研究の問題点は、BMIの差をまったく考慮にいれてないとこ。言わずもがなBMIが高い人ほど内臓脂肪が多い可能性が高く、自然と炎症や糖尿リスクも大きくなるはず。なので、こういった研究をしたいなら、BMIが高い人の数字を調整しなきゃいけないんですな。


ちなみに、疫学じゃなくて臨床研究のほうでは、赤身肉は逆に体の炎症を減らすって結果が出てまして、あらためて疫学研究って難しいなーとか思いました。


そんなわけで、いまのところ赤身肉と炎症については、さほど心配しなくてもよさそう。安心して赤身肉をご賞味くだされば幸いです。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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