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筋肉を落とさず脂肪だけを減らしたいなら「超高タンパク質+カロリー制限」がいいかも

Th 2048

言わずもがな、摂取カロリーを制限すれば体重は減っていくわけですが、脂肪といっしょに筋肉もガンガン減っていっちゃうのが難点。体がカロリー不足を補おうとするので、どうしても筋肉が分解されてしまうんですよね。

そんな状況下、スポーツ科学誌『The Journal of Strength and Conditioning Research』に出た論文(1)が、筋肉を落とさずに脂肪だけを減らす食事法を提案していて面白いです。

超高タンパク質実験の内容 

これは、タンパク質と摂取カロリーのバランスが体脂肪にあたえる影響を調べた実験でして、被験者を以下の2グループにわけたんですな。

 

  1. 超高タンパク質+激しいカロリー制限:1日の摂取カロリーを750Kcalに減らして、体重(kg) × 2.1グラムのタンパク質を摂る
  2. 超高タンパク質+マイルドなカロリー制限:1日の摂取カロリーを普段の量から300Kcal減らして、体重(kg) × 2.1グラムのタンパク質を摂る


どちらも超高タンパク質ですねー。以前、ダイエッター向けのおすすめタンパク質摂取量として、

 

 ダイエッターのタンパク質推奨量(g/日) = 体重 × 1.6


って公式をご紹介しましたが、これよりも上のレベル。特に激しいカロリー制限を行ったグループは、食事の大半をタンパク質で置き換えるレベルでして、炭水化物を徹底的にひかえるデュカンダイエットにも近い感じになっております。

超高タンパク質の凄さが浮き彫りに

で、その結果ですが、激しいカロリー制限を行ったグループは4週間で3キロ減のダイエットに成功したそうな。この数字だけ聞くと、「そんなにカロリーを減らせば当然でしょ」とか思っちゃいますが、特筆すべきは、減った体重のほとんどが脂肪だったところでしょう。代わりに、筋肉はバッチリほぼ元の量のままだったようで、実に素晴らしい話です。


また、激しいカロリー制限を行ったグループは、なぜか運動能力が上がる傾向があったそうで、これまた面白いポイント。研究者いわく、体重が減ったわりに筋肉が残ったので、自然とジャンプ力などが改善されたのだろうとのこと。なるほどねぇ。


一方で、マイルドなカロリー制限を行ったグループは、統計的にみてさほど大きな変化はなかったそうで、300Kcalを減らす程度では、またまだ脂肪を落とすには足りないのかも。


そんなわけで、タンパク質って凄いんだなーという感想を新たにしたわけですが、当然ながら、タンパク質だけで1日750kcalってのは体へのダメージが大きいので、この実験のダイエット法をマネるのはオススメできず。やはり、上で紹介した、ダイエッターにオススメのタンパク質摂取量を守るのがベストかとは思います。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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