一般人より脳が20才も若い「スーパーエイジャー」に必要な6つの要素
スーパーエイジャーになるためには
ちょっと前に「スーパーエイジャーになるには?」って話を書きました。これは80才にも関わらず50〜60才の脳を保ち続けるご老人たちのことで、そういう人が一定数いるらしいんですな。
で、前回のエントリでは「スーパーエイジャーになるには難しいことをやるしかない」って結論だったんですが、直近のデータでは別の経路も指摘されててためになります(1)。
スーパーエイジャーはテストの得点が高かった
これはノースウェスタン大学の研究で、31人のスーパーエイジャーが対象。全員に対して「リフの心理的幸福感尺度(2)」って質問紙に答えてもらい、それぞれの幸福度を採点したんだそうな。
「リフの幸福感尺度」は42問で構成されるアンケートで、「自分の人生に責任感を持っている」や「他人から思いやりがある人間だと見られやすい」みたいな質問に答えてもらう感じ。昔から幸福度研究の世界でよく使われてきたテストであります。
そこで結論からざっくり書くと、
- スーパーエイジャーの中央値は40点だったのに対して、一般的な高齢者は36点だった
って感じです。そこそこの差が出ましたねー。
ヒトの幸福に必要な6つの要素
では、具体的にスーパーエイジャーは何が違ったのかと言いますと、以下の側面が平均して高かったんですな。
- 自治性:自分で自分の行動を決められるかどうかや、他人に流されずに自分の意見を貫けるかどうか。
- 他者との肯定的関係 :他人に対して、信頼性が高くて満足度の高い関係が築けるかどうか。
- 環境のコントロール:どんな厳しい環境に置かれても、自分はちゃんと対処していける、という感覚があるかどうか。自分の人生や周辺の環境を、自分に合ったものにできるかどうか。
- 自己成長:「自分は成長してる!」って実感を継続的に得られるかどうか。新しい経験にオープンでいられるかどうか。
- 人生の目的:自分の人生には意味がある!と感じられるかどうか。なんらかの目標に向かって生きているかどうか。
- セルフアクセプタンス:いまの自分と過去の自分にポジティブな態度をもてるかどうか。
この6つは、先行研究をベースにしつつ、「良い人生を送ってる人」に共通する要素として抜き出されたもの。いくつかの追試で妥当性が確認されてまして、ヒトの幸福に必要なポイントだと言えるんじゃないかと。
まとめ
研究者いわく、
ことさらに社交的な暮らしを目指す必要はないが、この実験は、高齢になっても認知機能を保つためには、強力なソーシャルネットワークが必要な事実を示している。
この発見が素晴らしいのは、年を取っても自分の意思で認知機能をキープしていける可能性が生まれたことだ。
もちろん、ソーシャルネットワークさえあればアルツハイマーにならない、というわけではない。しかし人生には、自分の力で選べる大事な選択肢がいくつかある。
体にいいものを食べる、タバコを吸わない、といった選択肢のなかでは、ソーシャルネットワークはもっとも重要なもののひとつだろう。
とのこと。近ごろも「長生きには友人が必須」って話がありましたけど、脳をシャープに保つためにも人間関係は重要なんですなぁ。