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寿命をがっつり伸ばすために最適な1日の歩数はどれぐらい?という日本の調査

 



1日の歩数はどれぐらいがベストなの?って疑問は昔からあって、

 

 

といったエントリを過去にアップしてきたわけです。これらを見てると、だいたい1日8,000歩近くを歩いてれば健康を保てるのかなーって気がしますが、まだわからないところも多いわけです。

 

その点で、京都府立医科大学などの先生方が行った実験(R)は、日本人を対象に「寿命を伸ばすのに役立つ歩数はどれぐらい?」って問題を検討してくれていて参考になりました。

 

これは2019年に日本で行われた健康調査のデータを使ったもので、平均60歳の男女4957人を対象に分析。みんなには、歩数計を用いて日々の歩数を記録してもらい、さらには各自の健康に関する問題と、主観的な健康レベルを自分で評価してもらったうえで、すべてのデータを分析してみたんだそうな。ちなみに、参加者の1日の平均歩数は1日5650歩だったとのこと。

 

その結果、なにがわかったのかと言いますと、

 

  • 1日の歩数が増えるごとに健康寿命は増えていき、日々の歩数が9000歩まで増えると活動制限(健康上の問題で日常生活になんらかの影響がある状態)のオッズ比(OR)は0.27に低下した。

 

  • 日々の歩数が11000歩まで増えると、自己評価による不健康状態のオッズ比(OR)は0.45に低下した。

 

という感じだったそうです。めっちゃざっくり言えば、健康の問題がなく日常生活を送りたいなら1日9,000歩を目指すのが良く、さらに健康状態を改善するなら1日11,000歩を目指すのが良いかもしれない……みたいな話ですね。従来の説からそこまで離れた結論ではないですが、日本人を対象にしているあたりは、かなり参考にしたくなりますね。

 

ちなみに、この論文によると、最近のメタ分析では、1日の歩数が増えるごとに以下のような傾向が確認されてるんだそうな。

 

  • 1日7,200歩で心血管病の発症リスクが下がる。
  • 1日8,800歩で早期死亡リスクが下がる。

 

ってことなんで、1日8,800歩でもかなりのメリットは得られそうですが、さらに11,000歩ぐらいまでは目指しておきたい感じではないでしょうか。また、このデータを見る限り、1日11,000歩を超えたあたりから、健康寿命の伸びが急にフラットになっているので、これ以上を目指してもメリットは少ないかもしれません。

 

まぁウォーキングぐらいの軽い運動によって、ここまで健康寿命が伸びるのであれば、実践してみない手はないでしょう。11,000歩と聞くとビビっちゃう人もいるかもですが、別にエクササイズとして取り組まなくても、日常生活の歩数を増やせば良いだけなので、

 

  • 歩きながらミーティングする: 同僚や友人とウォーキングミーティングを行い、アイデアを出し合いながら歩く。

 

  • 新しいルートを見つける: 通勤や通学、買い物の際に毎回違うルートを使い、新たな発見をしながら歩く。

 

  • 日常の移動を歩くことに置き換える: 短距離の移動を徒歩に変えることで、無理なく歩数を増やす。

 

  • 買い物は歩いて回る: ショッピングモールや街を歩き回ることで楽しみながら歩数を増やす。

 

  • テレビを見ながらエクササイズ: テレビを見ながらその場で足踏みをする、または軽い運動を取り入れる。

 

  • 家事を積極的に行う: 掃除や洗濯、料理などの家事をすることで自然に歩数が増えます。

 

  • デスクワークの合間にストレッチやウォーキング: 1時間に1回は立ち上がり、軽いストレッチやオフィス内を歩く。

 

といった介入を行うだけでも、わりと無意識のうちに歩数を稼げることがわかってますんで。できるだけ楽しみつつ、日々の歩数を増やしていただければ幸いであります。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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