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あなたの睡眠を激しく悪化させる「就寝前の先延ばし」をチェックする8問

 


このブログでは、過去に何度か「就寝前の先延ばし」について書いております。これは「寝なきゃいけないのはわかってるんだけど、ついダラダラと寝るのを先延ばしにしてしまう‥…」みたいな現象のことで、

 

  • 日中の時間がうまく使えていない人ほど、夜間に自分の時間を取り戻そうとする。

 

  • 一日の終わりには、自己制御力が低下しやすくなるため、「もう少しだけ」といった言い訳が増える。

 

  • 日中のストレスや不安で就寝前のリラックスを妨げ、寝る時間を先延ばしにしてしまう。

 

といった原因によって、いつまでも眠らずに寝床でダラダラしてしまうんですな。かなり多くの人が悩まされている問題で、これを放っておくと、集中力や記憶力の低下、日中の眠気が悪化し、長期的には心臓病、肥満、糖尿病、免疫機能の低下などのリスクが高まっちゃうので、どうにかしておきたいところです。

 

となると、いまの自分はどれぐらい「就寝前の先延ばし」を起こす傾向があるのかってことで、国立精神・神経医療研究センターの先生方が、診断テストを作ってくれておりました(R)。

 

これはユトレヒト大学などが作った「就寝前の先延ばしテスト」を、国立精神・神経医療研究センターが日本語に変えたもの。もともとのテストを日本歩に翻訳したうえで、習慣的な睡眠不足に悩む日本人の男女100名を集め、テストの文章がわかりやすいかをチェックしたんだそうな。

 

その上で、さらにいつも睡眠が足りていない日本の男女574名(20~65歳)から協力を得て、みんなに日本語版「就寝前の先延ばしテスト」に回答してもらい、そこから14日後に再テストを行って、「どれぐらい正確に就寝前の先延ばしを判断できるのか?」を検査したらしい。

 

その結果、以下の8問に答えると、「就寝前の先延ばし傾向」が正確に判断できることがわかったとのこと。それぞれの文章について、5点満点(「ほとんどない」なら1点で、「いつもある」なら5点)で採点すればOKであります。

 

  1. 自分が意図していたより、寝る時間が遅くなる。

  2. 夜、明かりを消さなければならない時間になったら、すぐに消す。★

  3. 寝る時間になっても、他のことをしていることが多い。

  4. 本当は寝ようと思っている時でも、すぐに他の事に気をとられてしまう。

  5. 決まった時間に寝ない。

  6. 決まった就寝時間があり、それを守っている。★

  7. 決まった時間に寝たいと思うが、できない。

  8. 寝る時間になったら、それまで行っていた活動を容易に止められる。★

 

採点が終わったら、★マークにつけた点数を反転させてください(5点→1点、4点→2点、2点→4点、1点→5点)。その後で、すべてを足して合計を出しましょう。当然ながら、得点が高いほど、就寝を先延ばしする傾向が強いことになります。

 

ちなみに、この研究におけるテストの点数はこんな感じです。

 

  • それぞれの項目の平均は2.72±0.87点
  • 合計点の平均21.69±7.05点

 

この点数よりも点数が悪い人ほど「就寝前の先延ばし」をしやすく、睡眠時間が短くなり、睡眠のタイミングが遅れ、睡眠不足が激しくなる傾向が見られたんだそうな。また、テストの合計点が高い人は、仕事を終わらせる時刻が遅くなったり、眠りに入る時間が遅くなったりしても、あまり抵抗を感じにくい傾向も持っていたらしい。

 

ということで、自分の「就寝前の先延ばし」傾向が気になる方は、このテストを試してみてはいかがでしょうか。もしこれで良くない結果が出た場合は、以前に紹介した「パワーダウン・アワー」を試してみるのも手でしょう。

 

また、「就寝前の先延ばし」対策には、一般的な快眠テクニックがよく効くので、以下のエントリも参考になるはずであります。どうぞよしなに。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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