寝なきゃいけない!とわかっていても、ついテレビやスマホを見てしまう!問題はなぜ起きるのか?という研究の話
「寝なきゃいけないのはわかってるんだけど、ついダラダラと寝るのを先延ばしにしてしまう‥…」みたいな悩みはよく聞く話。これは世界的な現象らしく、「寝るのを先延ばしにしちゃう人と、すぐに眠りにつける人がいるのはなぜ?」って疑問に取り組んだ研究(R)が出ておりました。
これはドレスデン工科大学の実験で、173人の大学生を対象にしたもの。彼らにどんな調査を行ったかと言うと、まずは全員に「意志力は限られたリソースだと思いますか?」ってポイントを尋ねてます。
世の中には「ヒトの意志力は使えば使うほどすり減っていくのだ!」って考え方がありますが、それをどれぐらい信じているか?ってことですね。つまり、ここで研究チームは、「意志力への態度が夜すぐに眠れるかどうかを左右してるのでは?」って仮説を立てたわけです。
さらに、研究では被験者に以下のポイントも尋ねたそうな。
- 自分自身は意志力がどれぐらいあると思うか?
- 自分のことを朝型だと思うか?それとも夜型だと思うか?
- 理想的な就寝時間は何時ぐらいだと考えているか?
アンケートが終わったら、最後にすべてのの学生に10日間ほど毎日「睡眠日記」を書くように指示。前日の夜に何時寝たか、目覚めたのはいつだったか、睡眠の質はどれくらい高かったか、就寝時間をどれぐらい先延ばしにしたかなどを把握して、すべてのデータをまとめたみたい。
そこでどんな傾向が確認されたかと言いますと、
- 「意志力は有限のリソースだ!」と考えている人は、「意志力は無限だ!」と考えている人にくらべて、40〜50分ぐらい寝床でダラダラしがち
- 日中のストレスレベルが高かった時ほど、人は寝床でダラダラしてしまう
だったそうです。意志力への態度とストレスベルの2つが、夜のダラダラを引き起こしてる可能性が高いわけっすね。
ただ、この研究では、「なんで意志力は有限だと思ったり、ストレスが多いと寝るのを先延ばししたくなるの?」っていうメカニズムの面は深掘りされてないので、このような現象が起きる理由はいまいち不明ではあります。ストレスが多いなら「すぐ寝て忘れるぞ!」みたいな心理になってもおかしくない気がしますもんね。
というわけで、研究チームはざっくりと以下のような推測を述べておられます。
- 「意志力は有限だ!」と考えている人は、ストレスから回復するにはより多くのリラックスタイムが必要だと感じがちだから?(そのため、リラックスのためにテレビやスマホみたいに頭を使わなくてもいい活動に時間を費やしちゃう)
一晩ぐっすり眠ってもリラックスはできるけど、それには8時間待たなきゃいけないから、それなら手近な娯楽ですぐに快楽を得たほうがマシだ!と考えてしまうわけですね。これはありそうな話ですねー。
そんなわけで、ついつい寝るのを先延ばしにしがちな方は、
- とりあえず「意志力は無限のリソースだ!」という考え方に触れてみる
- できればストレス日記かなんかをつけて、自分のストレスが睡眠にどのような影響を与えているかを把握する
といったあたりが対策になりそうであります。どうぞよしなに。